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2010/10/17

読書の腕前

読書の腕前
「読書の腕前」
岡崎武志 2007/03 光文社 新書 294p
Vol.3 No.0188 ☆☆☆☆☆

 私も何度も覚えがあるが、泣く泣く手放すことになった本を、勇気を絞って古本屋のカウンターに差しだして、「ああ、うちはいま、こういうのいらなぁ」と断られるときの大きな脱力感と深い屈辱感は、たしかに捨ててくればよかったと思わせるに十分である。p118「年に三千冊増えて行く本との闘い」

 一度私も「ブ」でこの屈辱を味わったから、もう二度とあの店には行かない、と決めた。段ボールの中から数冊だけ出して、一冊10円として、30円、とか言われて記憶がある。安いのは構わない。しかたない。しかし、持ち帰れ、とは一体何事か。

 そう思ってから、いずれ手元を離れそうな本はすべて図書館からの借り出して間に合わせることにした。著者のように年に3000冊も蔵書が増えていくということではなくても、年30冊でも結構な圧迫になる。情報源として切り取るのか、じっくり長時間味わうのか、それぞれの読書の嗜好性があるが、私は存在としての「ブ」(某大手古書チェーン店のこと)はあまり好きではない。

 さて、そうしてみると、電子書籍も別な側面から意味あるものに思えてもくるし、出版する側にも回ることができるという可能性もでてきた。そこで、例えば、当ブログを一冊の本にまとめるとしたら、どうなるのだろうと思った。当ブログの読書の対象となるのは、お手軽な新書本が一番適しているようだ。そこで、過去の4年間を一冊の新書位の量にまとめるのはどうだろう。

 ちなみに光文社新書のこの一冊は、一頁に14行あり、一行に40字入っている。そして、全体で約300頁なわけだが、新書としてはちょっと厚すぎる。この半分程度がちょうどお手頃な感じがする。実際、この本、前半と後半では、多少の温度差があり、二冊に分冊してもいいような内容だ。

 してみると、仮に2200冊強の本をめくってきた当ブログの本のタイトルを、仮に一行に一冊の本のタイトルを箇条書きにしていくとなると、なんとそれだけで160頁を費やすことになるのである。呆れてしまった。これでは、当ブログの読んだ本を全部まとめて新書本の量一冊分に収めることなど、できる訳がない。そこで、敢えて、当ブログにおける根幹となる10冊を絞りだしてみようと思ったら、次のようになった。

1)「私が愛した本」

2)「ウェブ進化論」

3)「チベット密教」

4)「禅宣言」

5)「第三の波」

6)「シャンバラ 勇者の道」

7)「存在の詩」

8)「それがぼくには楽しかったから」

9)「謎の地底王国アガルタ」

10)「和尚(ラジニーシ)の超宗教的世界」

次)「もし僕らが生き続けるなら」

 もし、これらをマンダラ的表記をすれば、こうなるだろう。

     「読書マンダラ2006~10」

200610_3

 もっとも、「第三の波」は当ブログとしては未読であるし、「それがぼくには楽しかったから」も、単独の本としてはメモしていない。「謎の地底王国アガルタ」も、表紙がいまいちお気に入りではない。ましてや古い本ばっかりが並んでおり、これらのほとんどは当ブログ<1.0>の楽天ブログで読んだものばかりだ。そして唯一<2.0>になってから読んだ「もし僕らが生き続けるなら」は、なんと自分の読書としてはもっと古い部分に属す40年前の本である。

 だがしかし、絞り込むとすれば、やはりこのような形になるのであろう。そして、さらに絞り込むとすれば、上のリストの上位3冊、「私が愛した本」、「ウェブ進化論」、「チベット密教」ということになる。そして、もうこれ以上、絞り込んでは意味はない。個人史的には、「もし僕らが生き続けるなら」→→→「禅宣言」への旅、ということになるだろう。

 読書に腕前なんてあるのかどうか知らない。誰と、何と、比較しようと言うのか。まぁ、敢えてこの4年半の当ブログの読書をまとめればこうなる、ということで、読書に引きずられた部分もあり、読書を引きずった部分もある。読書至上主義者でもなければ、もともと読書を趣味にしてきたわけではない。ただ、「本」的に外側に表現するとなると、現在はこのように現れてくるだろう、ということだ。

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