カルト・陰謀・秘密結社大事典
「カルト・陰謀・秘密結社大事典」
アーサー・ゴールドワグ/住友進 2010/10 河出書房新社 単行本 383p
Vol.3 No.0204★☆☆☆☆
新刊本コーナーにこんな本が放り込まれていれば、気になっていちいちチェックしなければならない自分の性が悲しい。勿論こんな本が趣味なわけがない。しかし、自ら関わる部分に対する評価がどんなことになっているか、ひととおりはチェックしておかなければならない。
タイトルや項目をざっと見た限りにおいてはとくに目立つところはないが、細かく見ていけば、やはり数か所、数ページに渡って、歪曲された項目が載っている。もともとがステロタイプな歪曲表現の上、無理解な翻訳者によって、さらに誤訳されているので、トンデモないことになっている。
そもそも原書のタイトルには「大辞典」などの文字はないが、仮に大辞典だとするなら、もっとキチンとした構成と公証が必要になるだろう。もちろん全部読んだわけではないが、少なくとも、自分が知りえている部分に対する表現がこの程度ならば、他の部分も押して知るべし、ということになる。
全体的に信頼に足る本ではないが、すくなくとも、21世紀になってから企画され、ごくごく最近になって出版された一冊の中にもこのような表現が生きていることを無視することはできない。また、いくら誤解にまみれた著述であったとしても、無責任なこのような言動が一定程度評価されていることも忘れてはいけない。
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