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2010/11/05

エリック・ホッファー自伝 構想された真実

エリック・ホッファー自伝
「エリック・ホッファー自伝」構想された真実
エリック・ホッファー/中本義彦 2002/06 作品社 単行本 189p
Vol.3 No.0203☆☆☆☆☆

 この一週間ほど、当ブログにおいて「読書の腕前」へのアクセスが増えている。なんでかなあ。「読書マンダラ2006~10」をアップしておいたので、そこへのアクセスがあるのかもしれないし、もともとこの本が面白いのかも知れない。

 さて、あの本の中でいろいろな本が紹介されていたが、その中でも特に一冊だけピックアップしておいたのが、このエリック・ホッファーだ。学歴に劣等感を感じる人はぜひ彼の本を開いてみるべきだ、と何処かに書いてあった(いや、別に私は学歴もないけど、劣等感もないが・・・)。

 天涯孤独、盲目、放浪、自殺未遂、沖仲士、さまざまな特異な経歴を持つエリック・ホッファー。その放浪の姿を描写しているところは、ギンズバーグの「吠える」などを連想したが、ホッファーは60年代のアメリカのカウンターカルチャーには批判的であったという。

 ホッファーが、1960年代の青年運動全体、とくにヒッピーとドロップアウトに対してきわめて敵対的な態度を示したことは知られている。しかし、彼らのマクラメ編みとロウソク作りと植物(マリファナ)栽培は、日常の仕事に意義を求めず職人技能に回帰すべきだと説くホッファーの主張に奇妙にも合致しているではないか、と思う人もいるだろう。「そうかもしれません」とホッファーは認める。p176「インタビュー」

ホッファー 最近、ある出版社が「禅とオートバイ修理技術」という本の先行刷りを送ってきました。長い間放置していたのですが、ある晩、手に取ってみたところ、一気に引きこまれてしまいました。LSDで頭をやられた青年が書いたものですが、彼は機械が好きで、それによって救われたのです。p177同上

 ホッファーはまるで、「その男ゾルバ」を連想するようなバイタリティを持っている。そして、その運命の中でこそ語られる言葉の重みがある。まったくの教育を受けずに、放浪のなかで公共図書館で読書を重ね、晩年においては、何冊かの著書をものし、請われて大学で講師を務めるまでになった。

 読むかどうかはわかないが、著書リストが巻末にあったので、転記しておく。

エリック・ホッファー関連リスト

「大衆」1961、69「大衆運動」と改題 紀伊国屋書店

「政治的人間」1968 平凡社

「魂の錬金術」2003 作品社

「変化という試練」1965 大和書房

「現代という時代の気質」1972 晶文社

「波止場日記」1971 みすず書房

「初めのこと今のこと」1972 河出書房新社

「エリック・ホッファー自伝」2002 作品社

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