ニューマン 未来への唯一の希望 <3>
「新人類」 ― 未来への唯一の希望 <3>
Osho スワミ・パリト-ショ訳 瞑想社 1989/02 出版:めるくま-る 153p
出版グループは、巻末の編集後記に書いている。
本書において、Oshoは、the new manという語を new humanity、new human beingなどと同じような文脈で用いています。これら一連の語をありのままに訳すれば、<新しい人間><新しい人類><新人類>ということになるでしょう。Oshoは、この the new man という概念をはるか十数年以上前から提唱しており、私たちもそれに対応して、かねてから<新人類>という表現を採用してきました。流行語にとらわれることなく、the new man というOsho独自の、新しい概念をご理解いただければと思います。p153
まさに、そのとおりだと思う。本書においての翻訳チームの苦労も分かる。しかしながら、「Osho独自の新しい概念」であってみれば、当ブログでは、「ニューマン」あるいは、「Oshoいうところのニューマン」という表現で統一していきたい。翻訳本とはやや違った引用の仕方をしていくことをご容赦願いたい。詳しくは英語原書等にあたられたい。
ニューマンとは、古い人間の改良ではない。それは連続的な現象ではない。その洗練ではない。ニューマンとは、古い人間の死の、そしてまったく新しいニューマンの誕生の宣言だ。
どんな条件付けもない、どんな国家も持たない、どんな宗教も持たない、男性と女性とか、黒人と白人とか、東と西とか、あるいは北と南とかのどんな差別もない新しいニューマンの誕生の宣言だ。ニューマンとは、ひとつの人類の宣言だ。それはかつて世界が出会った最大の革命だ。
あなた方は、モーゼが海をふたつに分けたという奇跡について聞いたことがあるはずだ。あんな奇跡はなんでもない。私は人類を分けようと思う。人類という大海をふたつの部分---古い人間とニューマンのふたつに分けたい。Osho p12 「ニューマン」
当ブログは、「メタコンシャス 意識を意識する」というカテゴリを進行中だ。「神秘家の道」においても、最初はあまり気にしていなかったのだが、いざそれを拾い出すと、たくさん見つけることができた。この「ニューマン」においても、どちらかというと外側の社会的な面ばかりが注目されていたが、「意識」を拾い出すといろいろでてくる。
私について言うなら、そしてニューマンに対する私のヴィジョンについて言うなら、私は科学にはふたつの領域があるものと見ている。物を研究する下意の領域と、意識を研究する上位の領域だ。その下部領域は、上部領域に対して召使いとして働かなければならない。そうすれば、ほかになにも宗教の必要などない。そうすれば、科学が人間の要求のすべてを充足する。
だが今のところ、それはなにひとつ変容することがない。それが意識に接近し、人間のなかにより一層の意識を発展させるにはどうすればいいのか、人間の無意識を意識に転化するにはどうすればいいのか、どうすればその闇を真昼に変容することができるのかを研究しないかぎり、それは為しえない。Osho p83 「政治を超える科学」
無意識を意識に転化する、そして超意識へと橋渡しをする、というのが、当面の当ブログの課題だ。
現在までのところは確かに、人間の意識に関するかぎり、科学はさしたる変容に貢献してはいない。だが、科学にはその潜在能力がある。科学者は、自分がほとんど神になtってしまったということを、すなわち創造することもできるし、破壊することもできるという自分の責任を、認識しなければならない。
科学者はもはや自分が、何本かの試験管やフラスコを使って自分の家のなかで、ただ化学物質を混ぜたり実験したりしていたガリレオの時代の科学者でないことを自覚しなければならない。そういう時代は終わった。いまや科学者は、この惑星の全生命を破壊できる力を持っている。あるいはまた、人間がこれまで天国にしか想像したこともないような、美しい、至福に満ちた<生>を創りだせるような力だ。Osho P86 「政治を超える科学」
とはいうものの、やはり、内面だけで完結するものではなく、このあたりでは常にOshoは外側との関連を強調している。
人間は、世界で自分だけが意識があり、知性がある動物だと考えるべきではない。また人間は、これが存在する唯一の意識だと考えるべきではない。研究者たちは、動物が人間とは別の種類の意識、別の種類の感受性をもっていると考えている。
何種類かの鳥と、特に蜂は、ある種の言語をもっていることがわかっている。そして木は、この上もなく感受性が高いこともわかっている。庭師がそれらの木に水をやるために、また栄養物を与えるためにやって来ると、彼らにとりつけられた心電図のグラフは、よろこびに踊りはじめる----歓喜に満ちた歓迎を示しているのだ。おそらくそのうち、私たちは、樹木には樹木の、私たちには理解できない独自の言語があることを発見できるかもしれない。Osho p91 「チャールズ皇太子」
語られた時代、そして編集され、緊急出版のような形でピックアップされたこの小冊子「ニューマン」には、人々の集合的無意識を打つような、火のような言葉が多い。
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