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2011/01/15

神秘家の道<18>

<17>よりつづく
神秘家の道
「神秘家の道」 <18> 珠玉の質疑応答録
OSHO/スワミ・パリトーショ 2009/03 市民出版社 単行本 884p

 私は全く異なるアナーキストだ。私は政府があってはならないとは言わない。私は常に根に働きかける。私は葉を切りつめたりはしない。規律があるべきではないとは言わないし、法廷や法律があってはならないとは言わない。そんなことをしても、馬鹿馬鹿しいだけだ。

 個人は人格を落とし、正真正銘の自分で、正直であるべきだというのが私の意見だ。個人は、野心や欲望を落とし、得られるものは何でも祝いはじめるべきだ。個人は常に、月への憧れがある。個人には常に、月への憧れがある。地球があるのに、月に憧れる人はここで踊れず、月で踊る。Osho 669p 「核兵器より危険だ」 

 新たな人類は従来の意味の社会にはならない。それは個人が部分でしかない社会にはならない。新しい人類は個人の集まりとなる。新たな人類では個人が主人公となり、社会が個人に仕えることとなる。それは多様性を持ったものとなる。新たな人類にはたくさんの宗教はない。あるのは宗教的な意識だけだ。創造主として崇められる独裁的な神はいない。

 そうした神がいるということは、人間が奴隷であるという意味を含んでいるからだ。新たな人類には究極の達成の質、光明の質としての神性さがある。神は至る所に、あらゆるものに、あらゆる存在に広がる。Osho 686p 「言葉は磔にはできない」

 新たな人類は、自然は征服するものではなく、生きるもの、愛するものだとする生態系を持つようになる。私たちは自然の一部だ。それを制服するなど、とんでもないことだ。新たな人類には、人種も民族間の区別も皮膚の色やカーストの区別もなく、国も一切なくなる。機能上の国際政府があるのみとなる。Osho 687p 「言葉は磔にはできない」

 光明は、何かを知ることとは無関係だ。それは純粋な知(knowing)だ。純粋な知には対象がない。それは純粋な愛だ。純粋な愛には愛する対象はない。それは純粋な喜びだ。

 覚えておきなさい。光明は二元性からの自由だ。他者からの自由、状況がどうあれ自由であることだ。それははっきりとした理解だ。あなたが何かを知ろうとしているのではなく、単に眼鏡を拭いているだけ、視力を完璧にしようとしているだけだ。途中で多くのことを知るかもしれないが、それは決してゴールではない。Osho p695「言葉は磔にはできない」

 それは死ぬ時、あらゆる人に起こる。だがほとんどの人は無意識に死んでいく。意識は永遠の巡礼を続けるために、肉体から完全に分離する。肉体の旅は短い、だが、死はすべて無意識に起こる。これは自然な外科手術だ。Osho p706「何も失うものはない」

 後のカテゴリー、気づきとしてのエネルギーが、存在の中心に最も近い。その次は少し離れたところに思考があり、その次は少し離れたところに表現がある。表現から思考に逆行し、思考から無思考、純粋な気づきに戻る時、あなたは自分自身、存在そのものに最も近い。

 エネルギーは感情にあるときも、思考にあるときも、表現にあるときもエネルギーに変わりはない。だがそれは周辺部に、周囲に向かって動いている。周囲に近くなれば、自分からはさらに遠くなる。

 一歩ずつ、逆に降りていきなさい。それは源泉への旅だ。その源泉こそが、体験すべきすべてだ。それはあなただけの源泉ではない。星の源泉であり、月の源泉であり、太陽の源泉、あらゆるものの源泉だ。

 周囲に向かうことはできる。それが人々のしていることだ。エネルギーは同じで、方向が違うだけだ。エネルギーは外側へ行き、自己より遠ざかっている。それは同じエネルギーだ。私はそのエネルギーは、異なるものだと言っているのではない、これを憶えておきなさい。だがそれは、あなた自身から遠ざかっている。それで色々なことがわかるようにはなっても、自分自身のことは、いつまでたってもわからない。

 自分に近づく、これは同じエネルギーだ。そしてこの自分を知ることこそ、この世の知性豊かなあらゆる人にとっての、唯一のゴールでなくてはならない。でないと全世界を知ることはできても、自分自身については無知のままだ。あなたの知識は、一切役に立たない。何も知らなくても自分自身を知っていれば、あなたの生は平安で、温かく、静かで、大いなるエクスタシーに満たされる。それはあなた次第だ。Osho p712「何も失うものはない」

<19>につづく

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