「臨死体験」を超える死後体験 ヘミシンク モンロー研究所
「『臨死体験』を超える死後体験」 米国モンロー研究所のヘミシンク技術が、死後の世界探訪を可能にした!
坂本政道 2003/04 ハート出版 単行本 252p
Vol.3 No.0228 ★★☆☆☆
ヘミシンクとやらのテクノロジー並びに瞑想法になにごとかの可能性があるのだろうか、とブルース・モーエンの「死後探索」 をめくってみたのだが、簡単になじめるような内容ではなかった。そこで方向性を変えて、日本人の体験者の本を読んでみることにした。前書の翻訳者でもある著者は、なかなかのエリートでもあり、IT産業にかかわりヘッド・ハンティングによってアメリカ・カナダに10年以上滞在していた人である。
1954年生まれという、私と同世代という親近感もあったのか、この本、読み出しはとても読みやすかった。その表現方法、物事に対する態度、勇気、好奇心。なかなかの好漢だと思える。彼が初めてヘミシンクを体験していく中で、読者も一緒になって、そのセッションを疑似体験していくような気分になる。
しかし、好感はそこまでだった。後半になると、個人的なトリップが全面にでてきて、読者としては邪魔はしないまでも、どうぞ御勝手にと、限りなくつきあいをしていく気には全然なれなかった。むしろ、そのような他人の無意識層に引きずり込まれたら困るな、という直感さえ働いた。だから、こまかいディティールは一切読み飛ばした。危ない。
著者は、もともと死後に強い関心を持っていて、ヘミシンクのセッションをやる前から体外離脱体験があったようで、それをもっと知りたいという衝動をヘミシンクにぶつけたわけだから、それはそれとして妥当性があったのだろう。だが、この本だけでは、ヘミシンクの「臨死体験」を超える死後体験を理解せよ、というのは無理である。むしろ危険であると思う。
仮にヘミシンクに実際そのような効能があるとしても、万人にそのセッションが活用できるとは限らないし、その効能でさえ、個人的なトリップであって、客観的に共同認識できるものではない。また、他人とっては、実はどうでもいいトリップなのである。周囲にいる人々にとっては多少は縁もあるかも知れないが、むしろ、この程度のことなら、今生の縁をもっと大切にした方が妥当性がある。
体外離脱現象がないとは言わないし、過去生について知ることも悪いとは思わない。チャネリング現象についても、それはそれでいいでしょう。しかし、そこからもっと大きなビジョンが広がってこない。例えば、科学者にしてさらに神秘の目をもつ「月面上の思索」のエドガー・ミッチェルのような地平が開けてこない。きわめて矮小な個人トリップの殻の中に逃げ込んでしまったようなイメージを持った。
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