The Osho Upanishad<3>
The Osho Upanishad <3>
[Osho (著) 1986/11 出版社: Rajneesh Foundation Intl ペーパーバック: 1032p 言語 英語,
★★★★★
Long forgotten, one of the most beautiful words in any language, a very living word, `upanishad' means sitting at the feet of the master. It says nothing more: just to be in the presence of the master, just to allow him to take you in, in his own light, in his own blissfulness, in his own world. And that's exactly the work of a mystery school. Osho P2
さまざまな道があり、様々な言語体系、あらゆるアルファベットが使われてきた。ひとつひとつを比較調整していったら、延々と尽きるところのない迷路が待っている。たまの道草は楽しいものだが、ついつい興にこうじてしまい、ついぞ、目的地を見失ってしまう時さえある。
例えば、ニーチェの「ツァラトゥストラ」を読み比べてみても、ジブラーンの「預言者」を読み比べてみても、各人各様の解釈があり、各人各様の受け取り方がある。結局は、それを読み、メッセージを受け取ったものが、いかに自らの実存として、いかに自らのライフスタイルとして、それを生きていくかにかかってくるわけだ。
Oshoの講話を、どのように受け取るかは、受け取る側に全面的に任されているわけだから、百人百様の受け取り方があるに違いない。例えば、Oshoの語るツァラトゥストラを、他の「解説者」たちの文献と比較しながら読み進めることもできるだろうし、Oshoのカリール・ジブランを、他の本と並べて語ることも、可能ではあるだろう。
しかし、それでは、全面的に何かが失われてしまうような気がする。OshoにはOshoのアルファベットがある。同じ様な言語体系を使いながら、OshoはOsho独自の、まったく別次元の世界を指差していることがある。その表面の言語ではなく、その指し示そうとしていることに留意していないと、ポイントを見失うことも多々ある。
この時、Oshoは、アメリカを離れ、ワールドツアーで21カ国を訪れたあと、ようやくと言っていいのか、インドへと戻ってきたタイミングだった。ようやく「神秘家の道」を語ったウルグアイに逗留できたものの、永住の地ではなかった。ボンベイの地をふたたび踏んだOshoを、待ちわびていた人々がいた。その前でOshoは再び講話を始めた。
ここにおいてのキーワードは、ウパニシャッド、そして「at the feet of the master」だ。字義については、さまざまな解釈が横行しているが、それらを横並びして解釈しても、Oshoの場合は、どうにもならない。Oshoにおけるウパニシャッドは、Osho独自のものだ。Oshoを抜きにはあり得ない。タイトルも「Osho Upanishad」となる以外にないのだ。
at the feet of the master、このタイトルは、クリシュナムルティが13歳のときに、アルシオンの名前で出したとされる「大師のみ足のもとに」と同じものだ。ミステリー・スクールとは一体なにか。神秘の神秘たることとはどういうものか。
すべてが円環しており、すべてがここからここへの旅だったとすれば、時間を区切って表現することなどほとんど意味をなさない。インドを旅立って、インドに戻ったOshoにしてみれば、ここはひとつの円環のタイミングではあった。しかし、それは単なる7年とか、インドからインドへ、というスケールではなく、ゼロからゼロへ、ここからここへの円環でしかなかっただろう。
ミステリー・スクール。その名も魅惑的ではあるが、OshoはOshoの独自の世界を指差していた。道は長く、道は多い。しかし、いつかは円環のサークルを閉じることになる。その時、その接点はゼロとなる以外にない。さまざまな道がある。さまざまな潮の満ち引きがある。そして、今ここに立ち戻る時、すべてのことはゼロへと、あるいは無へと、空へと、導かれる。
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