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2011/02/07

「2050年」から環境をデザインする 都市・建築・生活の再構築<2>

<1>よりつづく
【送料無料】「2050年」から環境をデザインする

「『2050年』から環境をデザインする」 都市・建築・生活の再構築<2>
日本建築家協会 2007/10 彰国社 単行本 279p

 面倒臭いので、先日から当ブログで語っている「知人が所有する10数ヘクタールの山林に対する個人的な勝手な想い」を、「エコビレッジ・プラン ケースX」と名付けておく。

 最初に知人に連れられてケースXに足を踏み入れて、さて、その後に、もう一度、別な友人とその地を訪れて、まずこの地でしなければならないことを3つを挙げよ、と言われたら、私は次の三点を指摘したいと思った。

1)住む場所、若い女性でも行ってみたい、住みたい、と思えるような夢のあるスペース。

2)今時、テレビやラジオは当たり前で、普通にインターネットを使いたい。

3)内部のルール作りの意味でも、対外的にも、NPO法人を立ち上げる必要があるのではないか。

 1)については、テントでのキャンピングや、トレーラー・コンテナの運びこみ、キャンピングカーログハウスの建設など、さまざまな方法があると思った。飲料水や電気、ガスなどの確保など、難しい課題はたくさんある。しかし、若い女性に来てもらうなら、まずはトイレの問題が絶対あると思った。

 数人の方がコンポストトイレをやりたいと随分検討しました。しかし、いろいろな問題があり、たとえばこれを入れるだけで百万円くらいかかります。また条例では水洗トイレの設置が義務付けられていて、コンポストトイレを入れても、もう1つ水洗トイレを余計に設置する必要があります。(中略)

 コンポストトイレの床下にはステンレス製の発酵槽があります。今富士山にある山小屋のトイレで使われているものと同じもので、おがくずに微生物が入っていて、その微生物で分解します。ほぼ24時間で分解できます。(後略)p142中林由行「エコビレッジ鶴川の試み」

 このコンポストトイレ、という奴は要チェックだな。住宅街にいれるのではなく、個人的な畑づくりの山林に入れる、という程度のものでいいはずだ。原理的なことがわかれば、格安でできるはずである。

 2)についても、実は要チェックである。いまどき、山でも海でも空でも、使いたい時は自由にインターネットを使いたい。いずれキチンとケースX周辺の環境を調べなくてはならないが、かなり気になる。

 当時はまだパソコンも有線LANでしたので、庭全体に有線LANを張り巡らせて、ノートパソコンを持ってくれば仕事ができる場をつくったのですが、非常に好評でした。今は木が大きくなりましたから、さらに木陰も豊かになって有効に使われています。p163三谷徹「小さな都市としての『庭』」

 10数ヘクタール全体に無線LANを飛ばす、ということは無理だとしても、ケースXの中に、公共Wi-Fiのようなスポットをいくつかつくることは可能であろう。もちろん、ケータイやスマートフォンなどによるアクセスも可能なはずである。(回線スピードをチェックする必要がある)

 実は3)についてもかなり関心がある。

 糸長 (前略)最近は、農地法の見直しを含めて、遊休農地に関してはNPO法人が管理することが可能となっています。理想としては、エコビレッジが、農地管理に関して1つのNPO法人化をして、その近くの遊休農地に関してはちゃんと振り分けをする、里山に関しても同様にやっていこうと考えています。p148「パネルデスカッション」

 なるほどやっぱりそうであったか。農地法はなかなか難しい問題を突きつけてくる。NPO法人設立は、そこに突破口をあける可能性もあるのだった。

 漠然とだが、一番最初にケースXにおいて問題視したテーマについて、この本一冊でいろいろ解決の糸口が見えてくる。

 鶴川は東京郊外の町田市にあり、都市と田園の中間的な位置にあります。そのため、都市的なエコビレッジに挑戦するには絶好の場所です。周辺は戸建てベースの宅地開発が進められているもの、まだ緑地もかなり残っています。近くに「武相荘」という記念館があり、そこは白洲次郎と正子の夫婦が戦中に畑仕事をするために居を構えたところです。p137中林由行「エコビレッジ鶴川の試み」

 きのう、なんとなく白洲次郎&正子の「武相荘(ぶあいそう)」のことを考えていたが、やっぱり、そういう繋がりがあったか。

<3>につづく

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