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2011/02/27

「NPO法人をつくろう」―設立・申請・運営 米田雅子 <1>

NPO法人をつくろう―設立・申請・運営
「NPO法人をつくろう」 設立・申請・運営 第3版 <1>
米田 雅子 (著) 2003/08 東洋経済新報社 単行本: 251p
Vol.3 No.0271 ★★★★☆

 山の椒エコビレッジにおいては、NPOを掲げ、将来的には法人化することを目標としている。どうしてなのか、というと、第二次の動きに関わってきた人々の複数の人から、その思いが表明されたからである。

 これまで、メンバーの多くは組織に関わった経験があり、私を初めとして、自ら法人の役員を務めてきた過去がある。だから、法人化のメリット・デメリットを知っており、それでもやはり、ゆくゆくは法人化する方が正しい、と合意している。

 その大きな理由は、目的をしっかり持つこと、多くの人に関わりを持ってもらうこと、対外的に影響力を持ちたいということになるだろう。直接的に、すぐにメリットになるわけではなく、その準備に費やされるエネルギーも大きいのだが、器作りもまた大切なのである。

 法人格をもつことは社会的に人格をもつ団体になるということです。法人格のない任意団体は社会的には一人前とは見なされていません。団体が社会的に活躍しようとすればするほど、法人格をもつ必要があります。

 NPOが法人格をもつメリット
1、契約の主体になれる
2、受託事業や補助金を受けやすくなる
3、公的な施設を利用しやすい
4、社会的な信用が生まれやすい  
表紙見返し

 実際の活動がまだスタートした段階なのに、すこし先走りのようでもあり、また、最初からキチンと決めごとは明確しておくべきだ、という意見もある。

 NPO法では、NPO法人を17分野の活動を行う団体と定めています。自分の活動がこのどれにあたるのかを検討する必要があります。p44「活動の分野を決める」

 理想を語り会えば、あれもこれも、と、とりとめのない話しになってしまうが、あえてこの17分野から選ぶとすれば、次のあたりか。

3、まちづくりの推進を図る活動
 村おこしや地域おこしの運動、都市計画への参加、歴史的建物の保存、都市と農村の交流などです。ここでいう「まち」とは町や街の意味だけではなく、市民が暮らす一定の場、つまり地域をさします。
p45

 エコビレッジというテーマがあるとすれば、それは地域おこしであろうし、忘れられた別荘用地を蘇らせよう、という面からみれば、新しい都市計画でもある。あるいは、別荘型エコビレッジになるのであれば、都市と農村(山村)の交流、という活動にもなるだろう。当然、農産物や工芸品の生産、販売も関わってくるだろう。

4、学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
 音楽家や芸術家たちの育成支援、市民演劇、演劇の観賞会、伝統文化の継承と普及、郷土の歴史研究、スポーツ教室などです。
p46

 山の椒エコビレッジの構想を話してみると、その場をセラピーやトレーニングの場として使いたいという申し出が多くある。あるいはコンサートや演劇発表の場としても使えるだろう。パーマカルチャーの単位取得のためのトレーニング・センターにしたい、という申し出もある。特徴としては、この「学術、文化、芸術」の面が一番強くなるかもしれない。

5、環境保全を図る活動
 リサイクル運動、ゴミを減らす運動、公害汚染の調査、公害防止の運動、野鳥の観察と保護、動物愛護、ナショナルトラストなどです。近年、多くの団体が多彩な活動に取り組んでいます。
p46

 エコビレッジを標榜する限り、この活動は当然のことであろう。そのこと自体、あたりまえに取りいれることのできるライフスタイルであってほしい。そしてまた、環境保全に対する先進的な技術の体験や実験を積極的に行える場であってほしい。

 やる気があり、それを実行できる人が役員になるのが、NPOの原則です。社会的な地位が高いからといって、暇なときにしか参加しない人に名誉的に役職を与えるのは賢明ではないでしょう。また、仲間意識で親しい人だけで役員会をつくるのも避けなければなりません。p79「役員を決める」

 具体的な13haの土地があり、メンバーの利用に供されており、エコビレッジやマルチバーシティという高邁な理念がありながら、実際に、そこでひとつひとつの活動を積み上げていく「人」が最も大切なのである。天・地・人の共鳴こそが、大切なことだ。

 自分たちが、どのような問題意識を持ってNPO法人を設立したのか、その社会的な背景は何か、法人の活動の目的は何か、その目的を達成するためにどのような活動をするのかなどを書きます。p85「設立趣意書」

 この部分は、作業続行中だが、ひとりひとりの夢を重ねあわせて、さらになおシンプルなものにするには、ひとりひとりが、みずからの夢をさらに具体的に描く必要がある。

 リーダーたちの心がけとして、問題意識が低い会員や、参加回数が少ない会員を非難するような雰囲気をつくってはいけません。リーダーたちが、他の会員に対して、協力を求めるのは当然のことですが、強制的な態度をとると、会員の自発性によって成り立つNPOは、多くの脱会者をだしてしまいます。あまりに強制力を強めて、問題意識を前面に出すと、極端な場合には、排他的な宗教結社か過激な政治セクトのようになってしまう恐れすらあります。p93

 この面については、すでに社会的活動の中で、各々が経験してきていることであるし、避けなければならない最大要件の一つでもある。だが、いざ目的意識を持ってしまえば、ついつい、先に急いで行こうとしまいがちだ。重々忘れてはいけない。

 宗教系の団体が法人格を申請する場合、まず、特定非営利活動が主なる目的である必要があります。例えば、高齢者や障害者への支援を目的にするとしましょう。その活動を主に行う団体であればよいのです。従たる活動であれば、支障のない範囲で宗教的な活動も行うことができます。p140

 山の椒エコビレッジの活動が軌道に乗り、次第に活動機能が充実して行けば、瞑想ホールや個人セラピールームのようなものが出来てくることは間違いない。ただし、特定の団体だけが使うわけでもなく、一般の公共施設や貸しホールのように、複数の団体が、それぞれの貸出のルールに沿って利用することになるだろうから、これもまた大きな問題にはならないだろう。

 この本、第3版とはいうものの、すでに8年ほど前に出版された本である。分かりやすく丁寧な本ではあるが、情報は最新のもので補完しなくてはならないだろう。 

<2>につづく

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