今日からはじめるキャンピングカー
「今日からはじめるキャンピングカー」NEKO MOOK 936 はじめてシリーズ 032
ネコ・パブリッシング 2006/05 ムック 130P 29cm
Vol.3 No.0240 ★★★☆☆
まずは、かの地を「エコビレッジ」のひとつの候補地と考える。数万坪とは言え、その利用方法はまだ未知数。とにかく、その場所に行かなくてはならないし、その場所にて暮らす方法をイメージしなくてはならない。
知人は、街中にあるビルのオーナーではあるし、すでに別に自宅もあるし、仕事もすでに次世代に譲って悠々自適の生活である。商店街にあるビル暮らしであってみれば、バランスをとるように、田舎に一人だけの田畑を持ち、気ままに耕す、というのも、それはそれでひとつのライフスタイルであろう。
一時間かけて町から出かけて、農作業に汗を流し、また一時間かけて、夕方帰ってくる、というスタイルになんの矛盾もないだろう。しかし、そこが「エコビレッジ」だとするなら、そういうわけにはいかない。そこに少なくとも一定期間居住する可能性を模索するところから始めなくてはならない。
準備するすべきものはいろいろある。とにかく、食、と、住、だろう。となると、あの雑木林に持ち込むべきものは、まずはテントやシュラフなどのキャンピングセットであろうか。そう言えば、わが物置には、もう長年使っていない、ハウス型の大きなテントがある。ランタンや、調理セットもいろいろ揃ってはいる。
一晩、あるいは数日だったら、しかも、夏場であるならば、キャンピングセットでも特に問題はないだろう。そこに居住し、持って行った食料でなんとか数日は過ごすことができるだろう。しかし、もうすこし長期に、もっと大人数で、しかも冬場も過ごせる空間を作るとなるとただ事ではない。
知人は、廃車した保冷車の大きなコンテナを移築し、中を改造して居住空間を確保している。それは見事なアイディアであるし、もうそれはそれで十分であると、男の私なら思う。しかし、彼に言わせれば、そのコンテナは女性には不人気であるという。
なるほどね、人里離れた雑木林に行って、古いトラックのコンテナ暮らしでは夢が半減するのかも知れない。ここは女性にも納得してもらえる住空間を作らなければならない。となると、テント暮らしの次に浮かぶのがキャンピングカーである。
幸い、近くのバイパス沿道にキャンピングカー専門の自動車屋がある。しかも新車から中古まで、あらゆるタイプのキャンピングカーが所せましと何十台も並んでいる。一台一台眺めながら、なかなかそそられるものがあるが、新車はともかく中古でも、ちょっといいなぁ、と思えるものは数百万する。
それに、その空間に入ってキャンピングのイメージをふくらませても、あの土地の数万坪という膨大な広さに比較すると、なんと小さなことかと、そのバランスの悪さにがっかりする。キャンピングカーは、固定して使うものではなく、行きたいところに行く、そしてそこで一晩過ごす、というイメージで作られているようだ。
アメリカなどではトレーラーハウスと言って、キャンピングカーよりもっと大きなトラックサイズの住居型自動車があり、ホントウにそれで生活している人々がいるようだが、それは、日本では流通していないし、そもそも、決してリッチなライフスタイルではないようだ。場合によってはホームレスの段ボールハウスに比較されたりする。
なにはともあれ、こんな本を借りてきてパラパラめくってみる。ひとくちにキャンピングカーと言ってもいろいろある。軽自動車から大型のモノ、牽引するタイプのものや和室タイプのものさえあるのだ。
軽自動車はお手軽のようでもあり、ちょっとセコイ感じもする。自走型は、そもそも自走する期間を考えると、その自動車部分がもったいないのではないか、と思う。ここは、たまたま牽引免許も持っていることだし、私なら牽引型を選ぶことになるだろう。
しかもアメリカからの輸入タイプではなくて、日本サイズに作られているFRP型のものがよさそうだ。これなら、マイカーで引っ張って行き、そこに居住空間として設置して、帰りは、車だけで帰宅する、ということもできる。
だがしかし、かの地は、熊もイノシシもでるという未開の地である。山菜採りの人々も出入りするというし、時には人並みに心霊スポットとして怖い想いをするかもしれないのである。盗賊やいたずらな人々が出入りして車上荒らしに会うかもしれない。
ここはやはり、知人のように頑丈なスチール製の窓のない大型コンテナが一番適しているのかなぁ、と思うと、結局振り出しに戻るになってしまう。
それにそれに、キャンピングカーって、エコ、なんだろうか。すくなくとも持続可能なライフスタイルとはあまり言えない感じがする。週末のリゾート感覚であり、そこからのイメージはアウトライフなレジャーだけであり、なにか真摯なものがいまいち見えてこない。
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