地球の家を保つには エコロジーと精神革命 <1> ゲーリー・スナイダー
「地球の家を保つには」 エコロジーと精神革命
ゲーリー・スナイダー (著), 片桐 ユズル (翻訳) 1975/12 社会思想社 単行本 264p
Vol.3 No.0268 ★★★★★
エコロジー(ecology)の”eco”(oikos)の意味は”house”。すなわち地上の家を保つこと(Housekeeping on Earth)。 p226
1930年生まれのスナイダー、27歳、33歳、37歳、38歳、39歳の時の詩や論文が一冊になって出た本が、1975年に片桐ユズルの翻訳で出版された。その後、1991年にスタジオ・リーフから再刊された。
30代にして、すでにZENの老師のような風格を顕したスナイダーの、つぶやきから、ひとつの思想への成長のプロセスが見てとれるような一冊。
戒律によって善を少々得て、それで十分だなどとおもってはいかん。河の砂のごとく数えきれない道徳、瞑想、知恵の門のきよめをうけたかもしれないが、それの千分の一にも触れたわけではないのだ。
勇気をふるって努力し、早くためになることをしろ。待っていると耳はつんぼになり、目はかすみ、髪は白く顔はしわだらけになるぞ。体は年とり苦しくなり目は涙であふれ、こころは不安で満ち、どこにも行くところがない。そうなってしまったら自分の手足さえもきちんとすることができないのだ。
財産があっても、知恵と知識がいくらあっても、なんのたすけにもならない。こころの目がひらいておらず、またかんがえが状況に埋没しているならば、自分の内部を照らして見ることをまなぶことも、仏の道を見ることもできないだろう。p140
山尾三省との対談「聖なる地球のつどいかな」は、当ブログ、目下の教則本となっている。「山の椒エコビレッジ」というリアリティの中で、ひとつひとつの言葉が生まれ変わる。スナイダーには他にも本があるが、一気に読む続けることはできない。ゆっくり、ゆっくり、繰り返し読み進めている。
その島は8軒しかなく---人口40人---島の主要部分は火山と熔岩で、居住可能でも無人の地がたくさんあった。というわけで島民たちはナナオにもし彼も彼の友だちでもそこにキャンプなり住むなりしたかったら、歓迎する、といった。p237「諏訪之瀬島とバンヤン・アシュラム」
まさにこの規模こそ、「村」の最小単位であろう。7~8軒の家と、40人の住民たち。「山の椒エコビレッジ」は、まずはそのスケールを目ざす。
現代科学とテクノロジーの最先端はこういった見方のいくつかを支持するようになった。けっきょく現代の部族民は、大時代的に文明を批判しているというよりは、現代社会においてこれほど適切なタイプはいないのだ。ナショナリズム、戦争、重工業、消費、といものはすでに過去のものであり役にたたない。
人類の次の大いなる一歩は自分の精神の中に踏み込むことであり---ほんとうに問題なのは「意識とは何だろう?」ということであり、われわれはこういった問題の探究にあたっては科学をもっとかしこく創造的につかわなくてはならない。
ひろい国際的経験と学識をもち、ひまをもったひとなら---われわれの長い文明の歴史のぜいたくな産物だが---彼はとうぜん、数少ない道具と最低限度の衣類で、自然にちかく、しっそに暮らしたいとおもうのだ。p206「なぜ部族か」
まさにスナイダー節、全開。これこそ私たちの世代のマニュフェストにならなければならない。
OM MANI PADME HUM
オム マニ パドメ フム p236
ひさしぶりに、またこのマントラと出会った。
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コメント
オームマニパドメフーム
久々です
投稿: Furaku | 2011/02/24 23:55