ツリーハウス―だれもが欲しかった木の上の家
「ツリーハウス」 だれもが欲しかった木の上の家
ピーター・ネルソン (著), 本郷 恭子 (翻訳) 2003/06 ワールドフォトプレス 単行本: 127p
Vol.3 No.0265 ★★★★☆
なるほど、ツリーハウスね。「誰もが欲しかった木の上の家」とまでは言わないだろうが、たしかにこの手もありだなぁ。建築許可も必要なさそうだし、自然を満喫できる。ただ、いざ作ろうとしたら、この環境はなかなか手に入らなそう。それに、台風なんか来たら、どうするんだろう。
小さい時、家の周りには屋敷林があって、夏休みになると、ヤグラを作ったものだ。屋敷林は数メートルの等間隔に植林されているので、横棒を渡して、真四角なスペースを中空に作ることができる。
小さな時は、ここに板を渡し、回りをむしろで囲った程度なものであったが、結構隠れ家的で楽しかった。とくに若い叔父や兄貴たちが作ったものは、なかなか立派に見えた。梨畑にくる泥棒を見張るためにも、ヤグラは作られたし、農薬のない時代には、スズメが実ったコメを狙って田んぼを襲うので、田んぼの脇に立てられたヤグラの上で、一斗缶をガンガン叩いて、鳥追いをしたものだ。
考えてみれば、海水浴場の見張り小屋みたいなもので、結局は、夏休みだけの、ちょっとした冒険でしかなかった。小学生の時に、上の子供たちに混ざって遊んでいる時が一番楽しかった。
中学生になって、やはり屋敷林でヤグラを組んだ時がある。それまでは縄で棒や板を結わえていたのだが、だんだんと道具を使うようになり、杉の木に釘で板を打ち付けたことがあった。しっかりと定着してくれるのだが、家人に、生木に釘を打ってはならない、と、たしなめられ、結局は、それを最後に、私の子供時代のツリーハウスは終わってしまったようだ。
たしかに、生きている木に釘を打つのは、かわいそうな気もするが、かと言って、果物の木にナタで傷づける行事があったりする。危機感をもった果実は季節がくると、種族保存の法則で、果実を多くつけたりするのだ。感傷的になって、ヒューマニストぶるのも、よくないかもな。
この本に紹介されているようなツリーハウスは実にワイルドだ。ははぁ、ここまでやるか、と言う感じがする。そんなにしてまで木に登りたいのかなぁ。基本的な人間生活の、ヒューマンサイズ、という概念からすると、すこし外れているなぁ。趣味の世界だな。
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