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2011/03/06

「小屋の力」 マイクロ・アーキテクチャー 仙波喜代子/今井今朝春<1>

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「小屋の力」 マイクロ・アーキテクチャー
ワールド・ムック仙波喜代子/今井今朝春 2001/05 ワールドフォトプレス ムック 475p
Vol.3 No.0280 ★★★★☆ 

 なんどか山の椒エコビレッジに足を運んでみれば、その地の魅力が少しづつ高まり、その中でも特に自分に適したスペースがどこなのか分かってくる。そして、その中で、自分は一体なにをしたいのか、が明らかになってくる。

 このところ、道具として自分が揃えたのは、帽子、ナタ、長くつ、軍手、そして車のチェーンだった。帽子はいくつも持っているが、山にふさわしい帽子は、これからもいろいろ工夫する必要がありそうだ。ナタは両刃をそろえたが、ホームセンターや園芸店には両刃のナタがそろっていない。とにかく、これも使い始めてみれば、だんだんわかってくるだろう。

 軍手や防寒用の手袋はこれは必需品。そして、いままでは全然アウトドア派でもないし、普段は平地ばかり走っている自分は、この20年ほど、ほとんど使っていないタイヤチェーンだが、山の椒においては、極めて有効だということがわかった。そもそも最初から4WDをそろえておけばよかったのだが、まぁ、ここはタイヤチェーンでも大丈夫だ。

 そして、だんだんと明らかになって来たことは、いくつかの大きなプロジェクトがある。ということだ。

1)パーマカルチャーにつながる家庭菜園としての農業プロジェクト

2)エコビレッジにつながる家づくり。コハウジング作りプロジェクト

3)ミツバチプロジェクト

4)ひとりひとりの個人スペース作りプロジェクト

5)NPOのためのネットワーク作りプロジェクト

6)全体の連絡係としてのネット関連プロジェクト

7)その他(それぞれ細かいことがいくつかある)

 1)の農業プロジェクト、3)のミツバチプロジェクトはすでに進んでおり、担当者もおり、今後は規模を拡大していくことが肝要となる。5)のネットワーク作りや、6)のネット関連はこれからの作業だが、かなずしも山の椒にいなければできない、ということではない。

 今回、山の椒を訪ねて、強烈に思ったことは、2)コハウジング・プロジェクトと4)個人スペース・プロジェクトを今後早急に推進しなければならないな、ということ。そして、私がやりたいことは、まずはここなのだ。

 コハウジングを建てるスペースはほぼ決定した。そして、私自身が自分のスペースとして欲しい場所も決定した。あとは実際に実行するだけだ。コハウジングと個人スペースは同時推進させなければならないが、規模的に考えて、あるいは目的から考えても、個人スペースのほうが簡単で、手軽に作れるに決まっている。

 だから、コハウジング・プロジェクトに関わりながらも、自分が自分としてやらなければならないのは、個人スペースの確保だ。場所は決定した。あとはそこにどのように自らのスペースを確保していくかだ。

1)足で歩いていって、座って、弁当でも食べる。

2)道を整備して、車で行って昼寝する。あるいは一晩泊る。

3)暖かくなったら、車で、大型テントを張って、数日滞在してみる。

4)春から夏、遅くとも秋までに、冬を越せる小屋を建てる。

5)長期滞在できるログハウスやツリーハウスを作る。

6)クオリティを高め、永住の地とする。

7)付属の建物を建て増す

 このレベルで考えれば、実際にはまだ1)しかできていないのだが、3)レベルまでは問題なく推進する。5)や6)は、次なるステップとしてある。7)もまた、未来のことだ。つまり、現実の問題として、4)の暖かいうちに、冬を越せる「小屋」を建てる、ということが当面の課題となる。

1)水や電気、ガスや通信はどうなるのか。

2)資材は何を使うのか。

3)どの程度の規模にするのか。

4)経費をどれだけ見積もることができるのか。

5)どれだけの日程を組むことができるのか。

6)デザインは環境にマッチしているか。

7)みんなに羨ましがられるようなライフスタイルになるのか。

 1)まず、ガスはプロパンを使えばいいし、薪や焚き木は、山にたくさんある。通信は、光ファイバーまで手が伸びなくても、3Gでなんとかなりそうだ。水は湧水もあるし、タンクを使えば問題ない。電気はこれからの課題だが、電柱も来ているし、他の水力や風力の活用を、最初から全面格闘してみる必要もあるかもしれない。

 2)資材だが、手っ取り早いのは、中古のキャンピングトレーナーでも持ち込めばすぐに空間はできる。しかし、それだけの予算があるのなら、すでに山の椒にある部材を使いながら、小屋を作ったほうが絶対面白いに決まっているのだ。

 3)まずは、私たち二人が暮らせることが最低基準だ。二人が数日滞在して、食事をし、睡眠をとり、温泉などに外出し、また、友人カップルがふた組ほど同時に遊びに来る、という想定だと、キッチンやベットの他に、広いフリースペースも必要となるだろう。また、まったく一人になれる個室も必要となるだろうし、本当は仕事もしたいので、事務室も必要だ。

 4)経費は限りなくゼロにしたい。すでにあるものの活用だ。ガラス窓や屋根材などは、できるだけ安価に入手できる方法を考えよう。それでもやっぱり釘や道具、家具類も必要になるだろう。基本は自分の普段のこづかい程度で賄えるようにしよう。なに、飲み会や、余計なツマミ類に使っている雑費を節約すればいいことだ。まずは負担にならない程度からスタートしよう。

 5)日程はどうするかだ。どうしても10月辺りまでは完成したい。となると、4~9月のウィークエンドの各一日を使ったとして24日。途中で忙しくなったり、風邪でもひいてできなかったとして、まずは20日間でできる計画をたてなくてはならない。それに、コハウジングへの共同作業もでてくるだろう。できれば、もっと短縮して、10日間でできる個人スペース作りを考える必要がある。

第1日)まず大枠のデザインを考え、基礎となる部分に丸太を置く。そのためには電動のこぎりなどの道具が必要となる。また、部材の存在も確認しなくてはならない。

第2日)基本となる柱、屋根の骨組みの大枠をつくる。梯子やロープ類が必要となる。あるいは助っ人が必要となるだろう。釘や細かい部品が必要となろう。

第3日)屋根を完成させる。屋根材を何にするか、屋根裏に入れる断熱材の確保も必要となる。また、概観として、すこしはオシャレな雰囲気が必要だろう。

第4日)基本となる外壁を埋める。この段階では、中古のサッシ類やドア類を調達しておかなくてはならない。ここはすこし出費がかさむだろう。

第5日)窓を作る。ドアをはめる。換気扇や台所、ライフラインの取り付け箇所のチェック。天窓や、収納を考える。

第6日)内装に取り掛かる。断熱材、床材、あるいは照明器具などを考える必要がある。

第7日)電気を使うならプロを頼む必要がある。あるいは太陽光や風力発電にしても、ここは大きく予算がかさみそうだ。その他、ライフラインのチェックと見直し。

第8日)台所セット、ベッドセット、居間セットなどの選定、持ちこみ。

第9日)全体的なペンキ塗りや、隙間埋め。周囲の弊や玄関まわり、階段など。エクステリアも考えて、周囲の片づけ。

第10日)仲間たちを呼んで、完成祝い。

 まずは、今日考えた、山の椒エコビレッジにおける、自分スペースづくりプロジェクトの基本デザインではある。

<2>につづく

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