« 「ニホンミツバチが日本の農業を救う」久志冨士男<1> | トップページ | 「ニホンミツバチの飼育法と生態」吉田忠晴<1> »

2011/03/08

「ミツバチ」―飼育・生産の実際と蜜源植物 (新特産シリーズ) 角田公次<1>

ミツバチ―飼育・生産の実際と蜜源植物 (新特産シリーズ) 
「ミツバチ」 飼育・生産の実際と蜜源植物 (新特産シリーズ) <1>
角田 公次 (著) 1997/03 農山漁村文化協会  単行本 173p
Vol.3 No.0282 ★★★☆☆

 「ニホンミツバチが日本の農業を救う」においては、ニホンミツバチとセイヨウミツバチが峻別されていたばかりか、トウヨウミツバチなども紹介されていたが、こちらの本においては、「ミツバチ」という表現以外は使われていない。こちらのほうが一般向けの本のように思う。ここで言われているミツバチは、大多数の養蜂家が扱っているセイヨウミツバチのことであろう。

 「飼育・生産の実際と蜜源植物」とサブタイトルがついているだけあって、詩情にさそわれて読むような本でもないし、教養として読むような本でもない。実際に養蜂をしてみようと言う場合にすぐに役立つような具体的な知識が満載されている。

 特に、ミツバチがミツを集めるべく飛び交う、自然界の花々、その花々をつける植物についても多く触れられている。漫然と山間や大自然を楽しむのではなく、ミツバチの身になって、歩いてみれば、どこにどんな植物が生息しているのか、もっともっと敏感に感じるようになるに違いない。山の椒におけるニホンミツバチ・プロジェクトの、今後の展開も、この自然の植生と無関係であるはずがない。

 また、病気や天敵などについても触れられている。

 クマ クマはわが国最大の野性動物で、大きなものはツキノワグマでも150キロもあり、北海道のヒグマは200キロもあるという。クマにとってミツバチはなんといっても最大の御馳走であるから、みつけたら最後箱はメチャメチャにこわされ、ハチも蜜も蜂の子もすべて食べられてしまう。

 ふつうにミツバチを飼っている平野部ではクマは問題にならないが、夏の蜜源を求めて山間部に転飼した場合に被害にあうことが多い。最近山間部でも開発がすすんでクマの住む環境が変化しており、天候の悪い年など山の木の実が不作だったりすると、里に出てトウモロコシなどを食害する。たまたまミツバチを見つけて食べると、あまりにうまいので、それからはミツバチだけを探して歩くと言われている。

 クマの害を防ぐには、電気牧柵などをはりめぐらしてクマが近づけないようにしたり、被害を受けたら有害獣駆除の許可をもらう。そして、その土地の甲種の狩猟免許を持っている人に依頼してクマを捕獲してもらう。最近ではクマを殺さないようにと、自然保護団体の人たちの声が大きいので林業事務所なども許可に慎重になっている。

 一晩のうちにミツバチを10群もやられれば1群5万円としても50万円の被害になるし、トウモロコシを、それも明日あたりから出荷しようと思っていたものを10アールも食害されると、なんともやり切れないものがある。残念ながらクマと人間の双方が、安心して住めるようにならないのが現実である。p110「安全確実な蜂蜜生産のために」

 「田園生活の教科書 辛口のカントリーライフ入門書」においては、「狩猟」について詳しい記述が載っている。生ぬるい自然保護的感覚では割り切れない現実がそこにある。私自身がクマを射とめるために狩猟を学ぶ、なんてことはまずはないとは思うが、すぐそこにこのような生態系の現実がある、ということは忘れてはならない。

 無人の蜂場でクマに襲われたとき、蜂場近くの人から電話をもらったら、夜でも朝でもただちに現場に行き、残った巣箱を移動しなければならない。このときはヘッドランプとラジオを用意していく。ヘッドランプであれば両手が自由に使えるので便利だし、ラジオはクマから身を守るためによい。

 クマの害を受け、夜間に蜂群を引き上げに行く場合、近くにクマが潜んでいる場合が多いから必ずラジオのボリュームを最高にして背中に背負ってゆく。ラジオの大きい声とヘッドランプの光があればクマは逃げてゆく。p123「クマの襲撃」

 昨秋、まだ冬眠前のクマが生息しているかもしれない時期には、たまたま持っていたスマートフォンのワンセグのボリュームを最大限にして、山の椒をウォーキングした。おかげて1時間ほどでバッテリーがあらかた上がってしまったが、効果があったのか、クマ君とは遭遇しなかった。なるほど、山歩きには、ラジオやクマよけの鈴は必需品だな。

<2>につづく

|

« 「ニホンミツバチが日本の農業を救う」久志冨士男<1> | トップページ | 「ニホンミツバチの飼育法と生態」吉田忠晴<1> »

39)メタコンシャス 意識を意識する」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ミツバチ」―飼育・生産の実際と蜜源植物 (新特産シリーズ) 角田公次<1>:

« 「ニホンミツバチが日本の農業を救う」久志冨士男<1> | トップページ | 「ニホンミツバチの飼育法と生態」吉田忠晴<1> »