森を読む 種子の翼に乗って ソロー
「森を読む」―種子の翼に乗って
ヘンリー・D. ソロー (著), 伊藤 詔子 (翻訳) 1995/01 宝島社 単行本: 270p
Vol.3 No.0298 ★★★☆☆
1)ソローは死に先立つ数年「この原野の言葉を学ぶ」ことに強迫の念さえ覚えるようになった。彼にとって森は読まれるべく待っている一冊の本であったが、文法を掌握し構文の音律を学ぶのにかなりの時間をつぎ込まなければならなかった。彼は自然の秩序を信頼していたので、勤勉な学徒ならば確かめうる全植物形態の深遠な構造があることを信じていた。p7
2)植物学や博物学のような知識の網羅は、記憶力の劣った初老の読み手にとって、かなりの重労働だ。もともと理科が苦手な自分としては、これだけの量に目を通すのはほとんど不可能。
3)されど、後にレイチェル・カーソンやビル・マッキベンなどに連なる系譜のルーツのひとつがここにある、と理解できれば、この本を一度は開いた意味がある、ということだ。
4)森にベースキャンプをつくり、そこに何年も住みつき、あるいは通い、じっくりとその森を観察する、という活動はとても魅力的に思える。そのような森に巡り合えるのか、そのような観察の機会が与えられるのか。
5)森を読む、というタイトルはなかなか示唆的だ。そうありたい、と願う気持ちより、それは無理だろう、と諦めてしまうほうが先に来る。そもそも人間としての素質が問題になるだろう。
6)図書館に通っているうちに、いつかは数千冊の本についてコメントしてしまったように、なにかのスタイルを見つけ出せば、実は「森を読む」ことができるようになるかも知れない。
7)そんな淡い期待をもちつつ、今日のこの快適な気候の一日、森へのドライブを楽しんできた。
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