東日本大震災 アサヒグラフ
「緊急復刊アサヒグラフ」 東北関東大震災 2011年 3/30号
朝日新聞出版 2011/3 雑誌 p82
Vol.3 No.0300 ★★★★★
1)今年もまもなく夏至を迎える。当ブログは年に二回、読んだ新刊本のベストランキングを発表している。今年度の上半期発表の準備をして気がついたのだが、その新刊本のジャンルに入る本は、僅かに15冊しか読んでいなかった。しかもそのほとんどは3月11日以前に読んだ本だった。
2)3月11日を境に、読書などできる環境ではなくなった。電気が来ない。書店が営業しない。図書館が壊滅。どれほど、メディアで報道されたとしても、眼の前に展開されているリアリティのほうが重かった。
3)テレビもまともに見れない、新聞雑誌など読むこともできない環境の中、新聞販売店がわずかに稼働しているのを見て、この一冊のグラビア雑誌を購入していた。震災後10日くらい経った時だろうか。
4)表記もまだ東日本大震災という名前に統一されていない段階のものである。正直言って、買ったものの、まだこの雑誌を読んでいない。見なくていい。何年かあとに、ああ、こういうこともあったなぁ、と振り返るチャンスになればいい。
5)この本にレインボー評価などできない。しかし、ベスト10を作るとするなら、この本は、ベスト1に来なければならない。だから、ランキングのためにだけ、この評価をしておく。本当の気持ちは、無視して、引き出しの下にいれたまま、忘れてしまいたい。
6)3ヶ月近く経過して、ようやく正常稼働し始めた図書館には、震災関連の図書が沢山入っている。ひとつひとつ読んでみようかなと思い立つ時もあるが、リクエストの数が多いので、私の順番が来るまで、時間がかかりすぎる。読むのは、今年後半か、来年以降になるだろう。
7)このグラビア雑誌、巻頭を飾るのは私の故郷である。その故郷から数キロしか離れていないところに住んでいるわけだから、私はこの雑誌を見て、現地を想像したりする必要はない。見たければ、自転車ですぐそばまで行けばいい。
8)いや、本当のことを言えば、雑誌など見る気にもなれないし、現地の惨状の写真など一枚たりとも撮影することができない。
9)「大津波と原発 故郷が消えた」 こんなコピーなど書ける訳がない。本当のことだから。表現は、何か表に出ていないことを表わすことだろう。すでに表に現れていることを、表現しなおすことなどできない。
10)風化するのを待つのか。風化しないように記憶し続けるのか。
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