レイチェル・カーソン 『沈黙の春』を読む
「『沈黙の春』を読む」 かもがわブックレット
レイチェル・カ-ソン日本協会 1992/04 かもがわ出版 双書 61p
Vol.3 No.0289 ★★★★★
1)レイチェル・カーソンは、『沈黙の春』を出版したとき、自分の生命があまり残されていないことを知っていました。しかし、この本がすべての人の中で生き続けることを信じて、1964年4月14日、56歳の生涯を閉じました。p6
2)このブックレットが出されたのは1992年3月、私たちは、「スピリット・オブ・プレイス」シンポジウムの片づけにかかっていた。あれからすでに19年。私もレイチェル・カーソンと同じ年齢になった。
3)カーソンは子どもたちが本来もっている「センス・オブ・ワンダー=神秘や不思議さに目をみはる感性」をいつまでも失うことがないように、そのために「私たちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かちあう」ようにしなければならないと強調しています。
子どもにとっても親にとっても「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない、美しいものを美しいと感じる感覚され養うことができれば、知識は自然に豊かになっていくというのです。
このようなカーソンの主張に耳を傾けるとき、現在、自然保護教育や環境教育の重要性が叫ばれますが、自然をまもる大切さを声高にいうよりも、自然を探検し、五感で自然をともに感じとっていくことの重要さを考えるべきなのだと考えさせられます。p13「次の世代へのメッセージ」
4)『沈黙の春』には放射線についての記述が少なくありません。なかにはヒロシマの被爆者に関することやビキニの核実験で被災した久保山さんのこともでてきます。p25「カーソンと放射線」
5)すでにレイチェル・カーソンの警告から50年が経過しているのに、人類は心からの反省ができずに来てしまった。この3月11日の東日本大震災における、東京電力原発事故で、大量の被爆が起きてしまっているのは、決して「想定外」の事故ではない。分かっていて人類はここまで来てしまったのだ。ストップをかけることができなかった。
6)「私たちは、考えをかえなければならない。人間がいちばん偉いのだ、という態度を捨てるべきだ。自然環境そのもののなかに、生物の個体数を制限する道があり手段がある場合が多いことを知らなければならない。そしてそれは人間が手を下すよりもはるかにむだなくおこなわている」p56 レイチェル・カーソン
7)「私たちは、いまや分かれ道にいる」のです。一方は「禍いと破滅」への道であり、「べつの道」が人間と地球を守る道なのです。いまが最後の、唯一のチャンスなのです。私たちは、私たち自身と、私たちのあとを継ぐ子どもたちのために、「べつの道」を選択しなければなりません。p57「べつの道」
8)山の椒エコビレッジには、やがてレイチェル・カーソン・ハウスもお目見えするだろう。
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