ディープエコノミー 生命を育む経済へ ビル・マッキベン
「ディープエコノミー」 生命を育む経済へ
ビル・マッキベン (著) 大槻敦子 (翻訳) 2008/4英治出版 ハードカバー336p
Vol.3 No.0318 ★★★★☆
1) ビル・マッキベン関連リスト
「自然の終焉」―環境破壊の現在と近未来 1990/01 河出書房新社
「情報喪失の時代」 1994/01 河出書房新社
「人間の終焉」 2005/8 河出書房新社
「ディープエコノミー」 生命を育む経済へ 2008/4 英治出版
2)ソロー繋がりで、上岡克己「森の生活―簡素な生活・高き想い」の中に「自然の終焉」があったことをきっかけにして、マッキベンをめくることになった。
3)最初、総論賛成、各論、よくわからず、というか、ひとつひとつの言わんとするところを読みこんだとしても、一人の人間として「自分の手のひら」でやれることは少ないだろう、という印象を持った。これからの人、これから社会を左右することのできる立場に立てる人、立つべき人は、マッキベンから得るものは大きい・・・、だが、そういう本ではない。
4)1989年におけるレイチェル・カーソンの「沈黙の春」たらん、としたマッキベン。山上の僻地に夫婦で住み、子どもをつくらず、現代への警鐘を鳴らし続けるその姿勢は変わらない。
5)山尾三省は屋久島に住んで、二人の奥さんの間に6人の子供をもうけ、更に友人の三人の子供たち、合計9人の子供を育てたが、マッキベン夫妻は、子供は大好きだが、あえて地球の未来を考えて子供をつくらなかった。
6)ディープエコノミーとは、ディープエコロジーに影響を受けた言葉づかいであることはすぐ分かる。パロディっぽいのかなと思ったが、決してそんなことはなく、「深く」エコノミーに降りる。
7)私はアメリカで最大のコ・ハウジング・コミュニティを訪問したときのことを覚えている。ニューヨーク州イサカにあるエコビレッジで、1996年に開設した直後に訪れた。名前が示すように居住者は優れた環境保護運動家たちで、地球に与える影響をそれまでよりも小さくしようとしていた。密集した小さな家々に超断熱材を施し、南向きにすることで日光を最大限に取り入れた。
食堂での食べ残しはすべて堆肥になり、そのコミュニティのCSA農園で用いられた。農園は、すべての住居を一カ所に集中させることで余った土地を利用したものである。居住者は陳情に成功して入口にバスの停留所を得た。臨時のときには車を共用した。その結果、アメリカ北東部の他の人々よりも四割すくないガスと電気だけで生活できた。p213「地域に芽生える力」
8)エコビレッジもまた、当ブログにおける当面の追っかけのテーマではあるが、一般的には、その情報は決して多くない。また、広く、よく理解されているものでもない。今後に期待。
9)当ブログにおける「森の生活」カテゴリー、情緒的には、三省の屋久島ライフスタイルを遠く眺めつつ、都市もまた「森」化していく必要があるのだとするならば、地方の中核都市の周辺に住む自分もまた、自らの周囲の環境をチェックし、さらなる「森」化することに留意すべきであろう。
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