瑠璃の森に棲む鳥について 宗教性の恢復 立松和平/山尾三省
「瑠璃の森に棲む鳥について」 宗教性の恢復
立松和平/山尾三省 2001/01 文芸社 単行本 214p
Vol.3 No.0338 ★★★☆☆
1)本書は、2000年7月27日から29日(屋久島)、10月10日(東京)の計4日間にわたって行われた対談を編集・収録したものである。p207
2)続編に「水晶の森に立つ樹について」(2001/06)がある。
3)装幀に、「パソコンが僕の生き方を変えた」、「パソコンで森暮らし」などの著書のある荒川じんぺい、の名前がある。
4)文芸社、というちょっと訳あり気味の出版社がこの本を出していることが、すこし気にかかる。
5)立松和平、という人、晩年に小説『道元禅師』があったな、と作品群を見て、びっくり。おびただしい量の作品がある。とても当ブログにおいては追っかけ切れるような量ではない。そもそも、人間は、なぜにこれほどまでに書かねばならないのだろう。
6)この対談は、立松の名前が前に来ているように、ネームバリューも一般的には立松のほうが大きいのだろうが、この本の内容となれば、「作家」立松より、「野の詩人」三省があればこそ成り立つような内容だ。「水晶の森~」では三省の名前が前に来る。
7)立松という人も、24歳のときに数カ月のインド旅行をし、日本山に世話になったという話だから、割と身近な感じがする。
8)対談というもの、テープ起こしや、後からの加筆で、どれだけ、本当にその場で語られたのか分からないことが多い。この本についても、一読者として読む場合、どこか上滑りしている。
9)まして、三省からすれば、病を得て、より「瑠璃」化している状態なのだから、この本のような、オーバー・サービスは、もう控え気味にしてもよかったのではないか。
10)敢えてこの本が出来たのは、やはり立松側からのオファーであったのだと思う。
11)93年あたりの屋久島の世界遺産化とか、立松の「盗作」騒ぎなどの話題がでてくるが、今ひとつ、具体的な時代性が感じられない。
12)多くの心象が語られるが、それではどうするか。物書き風情が、ちょっといいカッコしすぎではないか。
13)続刊の「「水晶の森に立つ樹について」にも目を通してから、もう一度、この二冊の本について考えてみたい。
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