縄文杉の木蔭にて―屋久島通信 山尾 三省
「縄文杉の木蔭にて」―屋久島通信
山尾 三省 (著) 1985/07 新宿書房 () ASIN: B000J6QC34 発売日: 1985/07
Vol.3 No.0316 ★★★☆☆
1)78年6月から85年4月にかけての文章がまとめられている。内容はタイトル通りというべきだろう。イラストとして、三省のつれあい順子さんの白黒のペン画が添えられている。
2)「台風の朝」p94とタイトルされたイラストは、線がみずみずしく、必ずしも台風でおれた草木を想わないが、よく見ると、それは台風で折れてしまったトウモロコシの姿だ。あちこちに向いてしまったトウモロコシ、まだ毛は青く、大きくはなったかもしれないが、食べるまで至っていなかったトウモロコシだったのではないだろうか。
3)あと一週間、せめてあと3日くらい待ってくれたら、このトウモロコシも食べられたかもしれない。あるいは、ひょっとすると、このまま倒さずにおけば、折れ曲がったままやがて実も熟し、食べられるようになるかもしれない。
4)それを見ている順子さんのまなざしが思われる。このページでは、三省の父が亡くなった時のことが書かれている。
5)「山のツワブキ」p176のイラストもなかなか考えさせられる。ツワブキという植物についてはよく知らないが、どこかにこの植物についての三省の文章があった。何気ない、ごくありそうな草花達である。ひとつひとつの植物へのまなざしが優しい。
6)落ち着いていて、いかにも、山尾三省、という一人の人と、家族が屋久島に住んでいる、という雰囲気が、静かに、ほのかに伝わってくる本。
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