水が流れている 屋久島のいのちの森から 山尾三省
「水が流れている」 屋久島のいのちの森から
山尾三省/山下大明 野草社/1995/04 NTT出版 単行本 99p
Vol.3 No.0335 ★★★☆☆
1)三省にも、このような小さな本があったのか、と思えるコンパクトできれいな本。初版はNTT出版からでており、2001年に野草社から再版されている。
2)「はじめに」も、「あとがき」もなく、ただ詩が始まり、屋久島に住む写真家・山下大明の美しいカラー写真が展開される。
3)晴天の日の谷川は、流れながら青空を映して、澄んだ瑠璃色をしている。
瑠璃色というのは、最も深い癒しの色であると私は思う。
薬師如来というほとけは、東方からの浄らかな瑠璃光世界に住しているといわれているが、そうではなくて、澄んだ瑠璃色の水そのものが、薬師如来なのである。同様に、万物流転の実相は、万物回帰であると私は思っている。p41「同じ河」より抜粋
4)水と原発と瑠璃は、三省の三大遺言にかかわるテーマだった。
5)文明は常に進歩するものであるゆえに、常にまた思考錯誤する危険とともにある。象徴的にいうならば原子力発電所の冷却水として利用された水を、私たちは誰ひとりとして自分の口で飲みたいとは思わないだろう。
一方文化は、それが古いものであればあるほど私たちに信頼と安心をもたらす。森の岩根からしみ出している真水であれば、私たちの多くはそれをひと口飲んでみたいとこころから感じるであろう。p79「雨神の詩」より抜粋
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