災害から親を救う50の手立て 米山公啓
「災害から親を救う50の手立て」
米山公啓 2011/07 扶桑社 単行本 165p
Vol.3 No.0375 ★★★☆☆
1)書いているのは現役のお医者さん。医学博士。遠く離れた親を、災害時にどうするか、という点にテーマを絞っている。
2)災害時に限らず、普段から、どのような付き合いをしているのかが問われる。その点がはっきりしていれば、あとは、この本に書いてあることはそんなに目新しいことではない。ごく当たり前のことである。しかしながら、本当にそのテーマについて再考したいなら、この本はよいチェックシートになってくれる。
3)まず、ホイッスルです。狭いところに閉じ込められたとき、自力では脱出できない状態に追い込まれたとき、周囲に存在を知らせるには、ホイッスルが便利です。声で助けを呼ぶのには、限界があります。ホイッスルの高い音は、遠くまで届きます。p37「常備しておきたい防災グッズ」
4)これは考えたことがあったが、実際には揃えていなかった。必要になる状態が想定できなかったが、災害はいつくるか、どこで遭遇するかわからない。実際に、同年輩の友人は、キーホルダーにつけていた。これは要チェック。
5)パソコンより確実な連絡方法としては、アマチュア無線がある。それも携帯型の無線機を持っていれば、停電になっても、警察や区役所へ連絡が取れる。p57「まず通信システムが大切」
6)今回の3.11ではあまりアマチュア無線は話題になることはなかったが、ケータイやネット回線がぶち切れてしまえば、あとは通信手段として残されている方法はすくない。太陽光発電システムと組み合わせれば、強力な通信手段となる。
7)被災地域が広ければ広いほど、遠くで暮らす人が頼りになることがあります。仮住まいを提供してくれたり、物資を融通してくれたり、被災していない地域からの手助けは、想像以上にありがたいものです。p93「離れた場所の親戚や友人をチェックする」
8)これも本当だ。普段からの連絡網を確認しておく必要がある。
9)歩く以外の移動手段は確保しておきたいものです。通勤や通学には使わなくても、折りたたみの自転車が一台あると、何かと便利です。p97「移送手段を確保しよう」
10)折りたたみ自転車は助かった。被災地の近くにいくと交通規制がかかったり、悪路で車が入れないところがある。そこからは車から取り出した折りたたみ自転車で、地元の人間のふりして境界線を突破したりした(笑)。
11)確認が必要なのは、地震保険に加入しているか否かです。これによって、地震による被害の何処までが保険でカバーされるかが、全く異なるからです。p108「地震保険に加入しているか確認しよう」
12)地震保険については、T社の「超保険」地震上乗せ保障で100%カバーが一番強力。支払いも早かった。地震保険の加入率は地域で違いがあるが、だいたい30%前後。代理店によってはほぼ100%付帯している。
13)自動車保険も、地震や噴火、津波による被害はカバーできません。これらの場合でも補償できる特約を結んでいない限り、対象外なのです。p111「自動車保険は地震では原則下りない」
14)自動車の地噴津特約は安い。今後は絶対チェック項目になるだろう。ただし、現在は大震災の余震が続いているので、まだ受けてくれる保険会社は少ない。
15)最低でも100万円は、現金で自宅に置いておきたいところです。それも、1万円札ではなく、公衆電話や自動販売機などで使えるコイン、特に10円玉は潤沢に揃えておきます。p124「ある程度の現金を自宅に保管させる」
16)これはどうかな。実際に親戚の80歳を超えたおばあちゃんの家は津波でながされ、タンス預金していた「100万円」も流失してしまった。嘆くおばあちゃんを慰めるしかない。生きてるだけでまるもうけ。そう考えるしかないな。
17)ショックは長期にわたって残ります。大きなショックは、PTSDを生んで当然です。高齢者は特に、こ野回復に時間がかかります。p162「PTSDから回復させるには」
18)これは個人差が大きいだろう。戦争や長い人生を体験している高齢者のほうがサバサバしている場合も多い。今後の調査を見ないと、これはなんともいえない。
19)この本は、子どもからみた高齢者の親のケアについて書いているのだが、すでに高齢者になりつつある自分としても、考えておかなければならないテーマだ。常備薬などのリストを作っておくなどは盲点だった。現在の私には常備薬はない。
20)この本には書いていなかったが、私の場合は、老眼鏡がないと何もできない。これは各部屋におくとか、車の中に備蓄するとか、確実に確保しないといけないと思った。
21)被災当時、親としての私は、関東と北海道にわかれていた子供達と、どのように連絡するかを考えた。初期的にはケータイやメールで安否は確認できた。だけど、その後、刻々変化する状況の報告は、やはりツイッターがおおいに役立った。
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