命を守る防災サバイバルBOOK <1> Be-pal編集部
「命を守る防災サバイバルBOOK」 <1>
Be-pal編集部 2011/05 小学館 単行本 96p
Vol.3 No.0365 ★★★★☆
1)3.11大震災以来、すでに4カ月半が経過している。すでに第一次避難は終了し、二次的な具体的な復興プランの実行が叫ばれる段階となっている。
2)ふりかえってみると、今回の被災で、失敗したなぁ、ということは多くない。被災した親族や友人、仕事仲間のことを考えると、大きなことは言えないが、まずは何とか切り抜けた、というのが本音だ。
3)普段から防災グッツは揃えていたし、食糧も足りた。まず、一週間の孤立は覚悟だったが、使い方をセーブすれば、1ヶ月から、場合によっては数カ月の孤立にも耐えることは可能だっただろう。
4)しかし、ご多聞にもれず、エネルギー問題は重大だった。乾電池や灯油、カセットボンベは、多くはなかったが、セーブして使っていけば、サバイバルする期間は長くできただろう。だが、ガソリンと、電気、通信には参った。
5)ガソリンについては、タンクに半量しか入っていなかったので、被災後は事態が把握できるまでは、1メーターも車を動かさないでいた。移動はすべて徒歩と自転車。遠く離れた親族の避難所を訪ねるためにようやく車を動かしたのは一週間後だった。
6)ガソリンは、やはり早め早めに給油しておく必要がある。できるだけ満タンにしておけば、タンクの中にサビがつく可能性も少なくなり、メンテナンス上も良い。
7)被災後、ガソリンの携帯タンクが売れたが、はて、あれは自宅で常備しておく必要があるかどうかは微妙。自宅にガソリンを置けば、危険率は高まる。だが、タンクだけ用意しておいて、いざとなったら、タンクに保管する、という手か。
8)個人的なSOHOビジネスでも、小さな発電機ぐらいは常備するべきかどうかも微妙。むしろ、ハイブリットカーなどにガソリンを入れておいて、100ボルト電源を取ることを考えた方がいいようだ。
9)通信には参った。電源は、乾電池もあったし、パソコンのバッテリーもあった。しかし、光ファイバーの固定電話がまず駄目になった。ケータイの電池がなくなった。それでも、隣の家の屋根には太陽発電システムが乗っている。完全に電気がなくなることは心配していなかった。
10)しかし、通信としてのケータイや、ネット通信の回線は断絶した。
11)とっさのときにワンセグは役に立ったが、ケータイの受信用に保存したかったために、ワンセグはあまり見ることができなかった。役だったのは、携帯ラジオ。かけっぱなしでも、電池はほとんどなくならなかった。
12)水道は出ていた。電気は4日半で復活した。ガスは3週間後に復活した。ガソリンは1ヶ月でほぼ安定供給に戻った。すべては関係者の必死の努力によるところが多い。
13)このBe-pal誌編集「命を守る防災サバイバルBOOK」を読むと、普段から、アウトドアを意識して、大体の備品を揃えておいたことが役だった。あえていうなら、ファミリーキャンプ用に用意していたテントが、少し大きすぎて、サバイバル用には適していないように思った。
14)自分の身を守るのは、これでなんとかなった。課題としては、周囲の人や遠い親族への連絡などだが、伝言ダイヤルやツイッターなどを普段から言い合わせていたから、役立った。致命的な被害がなかったからこそ言えるのかも知れないが、今後、どういう風に災難に巻き込まれるかわからないので、普段から気をつけなければならない。
15)被災地は、被災後、計画停電というものを体験しないですんだが、これから夏場の電力需要期に向けて、どうやら、計画停電もあるらしい。
16)喉元過ぎれば熱さを忘れる。天災は忘れた頃にやってくる。ここで油断せずに、もう一度、身の回りの防災サバイバルグッツを再点検しておきたい。
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