風評被害 そのメカニズムを考える 関谷直也
「風評被害」 そのメカニズムを考える
関谷直也 2011/05 光文社 新書 210p
Vol.3 No.0366 ★★☆☆☆
1)この人、風評被害について12年間も研究してきたということだから、いくら3.11大震災後の発行とは言え、論調そのものはおおめに見なくてはならない。
2)執筆している時点は後半においては4月末であるから、震災の情報も十分に把握できていない。
3)しかし、あの時点における「風評被害」は、ほとんどが、7月下旬の現在、「実態被害」になっている。つまり、ほとんどの「風評」が正しかったとまでは言わないが、火のないところには煙は立たない、の通り、「風評」は注視するに値する、という結果になっている。
4)それもこれも、原発行政の安全神話と情報隠蔽習癖による、ゲリラ的な情報が乱立してしまったことによる。
5)基本的には、情報はステレオ効果を狙わなくてはならない。少なくとも、情報をうのみにしない。情報源を複数持つ。自分で情報を確かめる。誤報を流さない。などなどの基本的な姿勢が、ひとりひとりに必要だ。
6)しかしなお、敢えて曲解、でっち上げ、フレームアップ、ねつ造、嘘、がまかり通っている。それは世の常であり、情報というものは、そのような可能性が常にあるものである、というくらいの余裕ある態度が必要だ。
7)「巨大地震がくる」という予報だって、場合によっては「風評被害」になってしまう。本当に地震がきたから「よかった」ものの、地震がこなかったら、まるでオオカミ少年の嘘のように見られてしまう可能性さえある。
8)「火のないところには煙は立たない」、「人の口には戸は立てられない」、「他人の噂も75日」。ごくありふれたことわざだが、真理を突いている。
9)風評被害を科学的なメスを入れてまとめようとする意図はわかるが、今回の震災に関する限り、むしろ風評のほうが正しかったことが多くあり、風の噂、他人の評判にも、それとなく耳を貸しておく必要は、ある。
10)震災後、ようやく復活した図書館であり、図書館ネットワークである。書店も壊滅し、新しい本を見るチャンスが少なかった。その後、4カ月経過して、新着本も増えてきた。震災後にでた本であれば、ほとんどが、3.11について触れている。その部分だけをピックアップしただけでも、そうとうな「風評」となる。
11)どれだけの「風評」が出回っているのか、どうか。それをチェックするために、当ブログにおいてもようやく、重い腰を上げようと思う。評判のよい本は予約が殺到している。だが、結構、すぐ読める本も山積みになっている。
12)まずはランダムに読み込むこととする。
| 固定リンク
「38)森の生活」カテゴリの記事
- 地球の家を保つには エコロジーと精神革命<3> ゲーリー・スナイダー(2011.08.04)
- わが家も太陽光発電 Asahi original(2011.08.04)
- よくわかる太陽電池 斎藤勝裕(2011.08.03)
- 自然エネルギーの可能性と限界 風力・太陽光発電の実力と現実解 石川 憲二(2011.08.03)
- プルトニウム発電の恐怖 プルサ-マルの危険なウソ 小林圭二他(2011.08.03)
コメント