がんばろう!日本 災害復興計画
リベラルタイム 2011/06 リベラルタイム出版社
Vol.3 No.0373 ★☆☆☆☆
1)図書館の検索システムに引っ掛かって借り出してしまったからといって、なにもいちいちメモしておく程のこともないのだが、袖触れ合うも多生(多少だろうな)の縁。
2)この本、震災直後の発行とあって、まったく「がんばろう!東北」については書いていない。あるのは「がんばろう!日本」だ。
3)この「がんばろう!」はかなり多くの人が違和感を持っている。1995年当時の「がんばろう!神戸」には、どこか元気があった。
4)昔、マンガの「じゃりん子チエ」で通信簿をもらうシーンがあって、たしかあまり良くない点数の時が「がんばろう!」ではなかっただろうか。「よくできました」、「できました」、に続いて「がんばろう」があったような気がする。
5)じゃりん子チエなら、あのキャラクターと相まって、「がんばろう!神戸」が似合う(本当のところはよくわからない)。あの時、がんばろう関西とか、がんばろう西日本とか、そういう単語は飛びかったのだろうか。
6)1月17日の阪神淡路大震災から2カ月して、麻原集団事件が勃発した。あの時、いつの間にかトップニュースは、地震からサリンへと変わってしまった。その蔭で、「がんばろう!神戸」の合言葉が、地元から遠くまで聞こえてきた。
7)あの頃、通信手段はほとんど固定電話とファックスだけ。ケータイやメールなどはほとんどなかった。ウィンドウズ95の発売は12月のことだった。
8)あの時、阪神淡路の悲惨さから目をそらすために、あえて、誰かが「事件」をでっち上げてしまったのではないか、などという論調もなきにしもあらずだった。
9)今回、東日本大震災後の直後から、原発事故は大きく取り上げられている。北東北においては、沿岸部の津波の事実のほうが大きくて、原発まで頭が回らなかった、のではないか、と思ったりする。
10)別に、津波の悲惨さから目をそらすために、原発事故だけが大きく取り上げられている、とまでは言わないが、どうも構図としては、1995年当時と似ていなくもない、と思う。
11)今回、被災地からは「がんばろう!日本」という声は上がらない。敢えていうなら「がんばろう!東北」だ。あるいは、自らの地名や行政単位の名称がつく。
12)だから、「がんばろう!神戸」のような統一感がない。別になくてもいいのだが(笑)。
13)チーム日本、といういい方もある。
14)いまだに、がんばろう、という単語に違和感を覚える人は少なくない。かくいう私も好んでこの言葉を使うことはない。
15)だけど、他にあんまりいい言葉もないようだ。絆、とか、つながろう、とか、Pray for JAPAN、とかがあることは知っている。しかし、どれもいまいちだ。
16)やっぱり、こんな時、がんばろう!が一番似合いそうな気がする。
17)がんばろう!東北、と、がんばろう!日本、ではだいぶニュアンスが違ってくる。当然のことだが。東北、の場合は、自らががんばる必要がある。日本、の場合は、東北を助けよう、というニュアンスとともに、世界に対して、日本よ、がんばろう、という意味合いもある。
18)総論「がんばろう!日本」で何も問題はない。しかし、各論がバラバラだ。
19)じゃあ、どうするのよ、となると、なんだか、皆んな腰砕けになりそうだぞ。
20)そんな時、なでしこジャパンのワールドカップ優勝は大きかった。国民栄誉賞には、みんな賛成するだろう。
21)夢は実現するためにある。チームワークを保って、最後まであきらめない。やまとなでしこの「たくましい」フェミニン・エネルギーに脱帽した。
22))がんばろう!日本、がんばろう!東北。
23)そういう風に、腹の中から、本当に力が湧いてくるまで、あとどのくらい時間がかかるのだろう。
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