震災に負けない!Twitter・ソ-シャルメディア「超」活用術
「震災に負けない!Twitter・ソ-シャルメディア『超』活用術」
新しい情報インフラを考える会 2011/05 エクスナレッジ ムックその他 95p
Vol.3 No.0369 ★★★★☆
1)この本に書いてあることは基本的に共感できる。震災後一カ月の緊急出版であれば、2011年現在、この程度は基本中の基本ということになろう。ウィンドウズ95の発売前だった阪神淡路大震災の当時を考えれば、この16年間に進んだ通信網は、はなはだしく進歩したものだと思う。
2)しかし、本当にその進歩が、震災直後に役だったかどうか、という意味においては疑問点が残る。今後の震災において、どのような対策を組んでいったらいいか、を考える意味では、この本は役だつだろう。
3)震災直後、電気、通信、交通、のインフラがストップした。制限され、あるいは寸断され、復旧するまでに数時間、数日、数週間、数カ月、を要した。
4)この本に限らず、ツイッターが役だった、というコメントは多いが、実際には、通信網が寸断されている限り、ツイッターもスカイプも使えなかった。
5)被災状況によって、大きく違うだろうが、内陸部で、しかも大きなビルの会議室で被災した私の場合の、とっさの優先順位を上げておけば・・・
a.自らの身の安全 とにかく落下物がなく、孤立しない場所に移動
b.移動手段の確保 歩きやすい靴 道順の確認
c.ワンセグ、携帯ラジオ、カーラジオなどでの情報確認
d.ケータイ、災害ダイヤル、メール等で近親者との安否確認
e.避難所の確認、被災状況の確認
f.ライフラインの確認 避難袋の確認
g.長期避難への準備
6)自分がどのような瞬間に被災したのかによって、大きく状況は変わってくるが、まずはおちついて行動することが基本だ。
7)まずは何が起こっているのか、の確認が大切。隣の人に声をかける。自分の安否を遠方に伝え、そこから間接的に複数の人に安否を拡散してもらう。ケータイは、アンテナ局が倒壊して、通信が使えないばかりか、アンテナを探し続けるために、ケータイのバッテリーはすぐダウンする。発信する時だけケータイのスイッチを入れる、という小まめな配慮が必要。
8)一晩だけ泊まった避難所では、ガソリンで発電していたので、そこでスマホとケータイの充電ができた。避難所では目ざとく充電しやすい場所を確保する必要がある。コンセントが少なく、順番待ちが長くなる。
9)一番の情報源は乾電池の携帯ラジオ。新聞の速報も、早朝から避難所にも無料でくばられたが、地震の規模の大きさを伝えるニュースには圧倒されても、細かい情報は取れない。
10)もともと公衆電話は少なくなっているし、あっても順番待ちが長い。あるいは停電で使えない。とにかく、最初の一日が経過すれば、どう対策すればいいか、大体は分かる。二日目から数日すれば、まずはそれぞれの被害が確定し、復興に向けてじっくり対策を取ればいい。
11)こうしてみると、電気や通信、インフラの被害はわりと「対策」しやすい。まったく駄目だったのは「原発事故」情報とその対策である。これは現在進行中。4月半経過しても、放射性物質による汚染は収まっていない。収まっていないどころか、拡大中である。情けない。
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