節電住宅 自然エネルギ-利用の家づくり 白岩且久
「節電住宅」 自然エネルギ-利用の家づくり
白岩且久 2011/05 同時代社 単行本 190p
Vol.3 No.0431★☆☆☆☆
1)う~ん、なんとなく良さそうなタイトルなので、いきなりつかんで借り出してきた自分が恥ずかしい。この本は、わずか半年ちょっと前に「環境家族 CO2削減の家づくり」というタイトルで出されたものを、3.11以後、タイトルを変え、多少加筆して出された、まがい物である(と断定する)。
2)確かに3.11以後に既に絶版になっていて手に入らない旧本が、3.11をきっかけに復刊することは多数ある。しかし、半年前に出版されたものを、タイトルだけを変えてまた新刊として店頭に並べるというのは、禁じ手であろう。賞味期限を勝手に変えてしまうとか、ラベルだけ張り付けた偽装と、まったく同じ手法である。
3)もし、それだけ3.11に何事かを感じたのなら、これだけの「薄い」本なのだし、もう一度、別な内容ですっかり書きなおして出すべきだっただろう。読者(消費者)を舐めてはいけない。
4)この人、建築の実務家である。他の業者やメーカーに対する批判は手厳しい。もし他者に対してそれだけのことをいうのなら、まずは自らにその視線を向けるべきである。
5)この本、節電とは言え、高断熱高気密住宅を勧めているだけであって、断熱材を多くして、ペアガラスを使う、という具体案を底上げして語っているだけである。
6)ブログに書いておくかどうか悩んだが、これまでの自分の読書態度を自省する意味でも、メモを残しておく。
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7)故加藤哲夫氏(61)を偲ぶ会(通夜)に行ってきた。上田紀行氏が友人代表として弔辞を読み、松岡正剛氏のメッセージが弔電の最初に読まれた。国会議員や県会議員が出席し、仙台市長からの献花が飾られていた。結城登美男氏の顔もあった。各NPOなどからの献花が多数並んでいた。
8)本日のお別れ会(葬儀)には出席できないが、それなりにドラマがあることだろう。
9)61歳。ご本人にとって、この年齢は早いのか充分なのかはわからないが、自然食レストランを草分け的に経営し、「自然食通信」に連載を書いていた人が、皮肉にもガンで亡くなってしまうのは、ちょっと早すぎるのでないか、と私なら思う。
10)重篤な状態で病室からブログを書いていた友人知人が亡くなる、という体験は、今年だけでも二人目である。いろいろ思うところがある。同じ境遇になった場合、私なら書けるだろうか、と思う。書けるかもしれないが、書かないだろう、という思いが、今は強い。
11)紅顔いずくへか去りんし、尋ねんとするに蹤跡なし。熟観ずる所に往時の再び逢うべからざる多し、無常忽ちに到るときは国王大臣親暱従僕妻子珍宝たすくる無し、唯独り黄泉に趣くのみなり 「修証義」より 「お経 禅宗」p102
12)こころよりご冥福をお祈りいたします。 合掌
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