「巨大地震」「大津波」「放射能」から身を守る100の方法 東日本大震災でわかった! 主婦と生活社
「巨大地震」「大津波」「放射能」から身を守る100の方法 東日本大震災でわかった!
主婦と生活社 2011/07単行本 127p
No.0396★★★☆☆
1)こちらは、7月発行の本だけに、地震や津波に比して、より放射能についての記述が多くなっている。120数ページのうち、放射能については30数ページが割かれている。
2)ガイガーカウンターを肌身離さず持ち歩いて、神経質になる必要はない p102
3)そうは言われても、公共によって細かく地域が計測されているのならいいが、あまりにも大雑把な発表だし、同心円状に汚染されているわけではない。ホットスポットなどがある限り、自分で身を守ろうとするなら、ガイガーカウンターくらいは、必要だろう。が、まだ一般家庭や個人用としては高額なものであるし、誤差もかなりあるようだ。
4)車両に付着した放射線が飛散して、健康に影響を及ぼすことはない!p107
5)この表現は微妙だ。あえてここでは「放射<線>」という単語をつかっていることに注意。自宅に帰ったら、玄関の外で、放射性物質をはたき落してから家に入りましょう、などという本もあるのだから、車両に付着した「放射性<物質>」が飛散する可能性はある、と個人的には判断する。
6)先日、南相馬市の東電原発から20キロ圏内まで行ってきた。近くにはコンビニがあり、若い女性が働いていた。20.1キロというエリア内なので、大丈夫なのかな、と思った。妊娠の可能性などがなければいいのだが。できれば、私みたいな初老の男性が働いたほうがいいように思う。ちなみに、停止線にいたのは、男性の中年以上の警官たちだった。
7)帰ってきてから、自宅に戻る前に、洗車場で念入りに洗車してから帰宅した。自宅に持ち込まなくても、地域の排水溝までは持ってきたことになるのだが、まぁ、いまのところは、健康に影響するほどの数値ではない、と言われている。
8)実効線量計数(成人)は、放射性ヨウ素が「22×10の-5乗」(0.000022)、放射性セシウムは「1.3×10の‐5乗」(0.000013)です。
そのため、仮に1kgあたり2000ベクレルの放射性ヨウ素が検出された野菜を、1kg食べた場合の体への影響は、「2000ベクレル×0.000022=0.044ミリシーベルト」となります。
暫定規制値は、日本陣の平均的な食生活をもとに、対象の飲食物をすべて1年間とりつづけても、ヨウ素の甲状腺等価線量(甲状腺に対する被曝量)で50ミリシーベルト(実効線量で2ミリシーベルト/年相当)、セシウムの実効線量で5ミリシーべルトを超えないように決められています。p110
9)この数式はもっとキチンと頭にいれておきたいのだが、いまだよく実感がつかめない。1mSv/年以上の放射線を浴びないようにする、と言っておきながら、50mSv/年(なのかな)が安全、と言われても、ちょっと理解があやふやだ。
10)大体において、安全、安全と言われながら、これだけ細かく計算式ができていること自体、もともとは、相当に危険なものなのだ。もともと危険なものなのに、安全、安全、と言いくるめられることに、どうも不信感を抱いてしまう。
11)この本は、「主婦と生活社」の編集によるものである。あまり疑心暗鬼にならず、素直に教えを乞うていればいいのかもしれないが・・・。
12)飲料水の暫定規制値は、放射性ヨウ素131については300ベクレル/kg(乳児は100ベクレル/kg)、放射性セシウム134、137については、200ベクレル/kgと定められています。p112
13)大体において、いきなり「定められています」などと、なんの予備知識もないまま言われても、どうも納得はいかない。消費税は5%と決めれらています。成人は20歳と決められています、と言われているようなもので、それには様々な異論があって、なおかつ、「暫定的」にそう決まっているだけなのである。、予備知識なり、広い議論の中でのコモンセンスとして、理解するまでには、もうすこし時間がかかりそうだ。
14)300ベクレルの放射性ヨウ素131が検出された1kgの水道水を飲んだとすると、成人の場合、体への影響は、「0.0066ミリシーベルト」になります。仮に、成人の1日の平均摂取量である1.65kgを1年間、飲み続けた場合、体への影響は「3.97ミリシーベルト」となります。
このように、暫定規制値レベルの汚染を受けた水道水を1年間飲み続けても、j放射性ヨウ素の上限値である50ミリシーベルト/年(甲状腺等価線量)には及びません。p114
15)どうもこの辺の数値やシュミレーションがあやしくていけない。大体において水は1年間飲んで終わるわけでもなければ、水だけ飲んで暮らしているわけでもない。食事をし、空気を吸い、また体表面からの放射線を浴び続けた場合、総合すれば、結局大きな数字になってしまうのではないか。
16)まして不確定要素が多すぎる。個人差も大きく、また、地域や、その食品の製造過程はまちまちだ。一律の平均値で安全と言ってしまうことは、かえって「危険」なのではないか。
17)野菜類(根菜類、芋類を除く)の暫定規制値については、放射性ヨウ素で1kgあたり2000ベクレル、放射性セシウムで500ベクレルと決められています。もし2000ベクレルの放射性ヨウ素が検出された野菜類を、成人の1日の平均摂取量である600g食べた場合、体への影響は「0.0264ミリシーベルト」。仮に1日600gの野菜類を1年間摂取した場合には、体への影響は、「9.63ミリシーベルト」となります。p115
16)決められているかどうかしらないが、外部被曝0.1μSv/h=1mSv/年以下の環境で暮らそうとしている人間にとって、10mSv/年は、かなり大きな数字のように思える。これらは、ひとつひとつ加算されることになるのだ。
17)300ベクレルの放射性ヨウ素が検出された牛乳・乳製品を、成人の1日平均摂取量である200g摂取した場合、体への影響は、「0.0013ミリシーベルト」。
仮に一日200gの牛乳を・乳製品を1年間摂取し続けた場合には、体への影響は「0.48ミリシーベルト」となります。p116
18)なんだか、ますます加算されているなぁ。
19)魚介類の暫定規制値は、放射性ヨウ素で1㎏ああり2000ベクレル、放射性セシウムで500ベクレルと決められています。魚の体内に取り込まれた放射性物質は、内臓や頭に集まりやすいとされているため、調理する際には、こうした部位を取り除くようにするとよいでしょう。p117
20)頭や内臓ばかりが汚染されているわけではあるまい。そんな器用なまねはできない。家庭の主婦や主夫は、料亭の板前さんみたいに、ふぐ料理の免許をもっているわけではない。ふぐの毒にあたりたくなければ、最初からふぐは食うな、と言ってもらったほうがいいのではないか。
21)米(玄米)を含め穀類の暫定規制値は、放射性セシウムで500ベクレル/kgと定められています。
成人の場合、穀類の1日の摂取量は300g。仮に500ベクレルの放射性セシウムが検出された玄米を1日300g、1年間食べ続けた場合、体への影響は「0.71ミリシーベルト」となります。p118
22)ああ、そろそろいい加減にしてほしいなぁ。先年、中国製の段ボールが入ったシューマイというのがあったが、段ボールが入ったシューマイを、一日10個、一年間食べ続けても、大丈夫ですよ、と言われているのと同じことではないか。
23)段ボールなど食品じゃないのだから、食べたくない。おいしい食品を食べたいのだ。大丈夫、大丈夫、ではなくて、最初から、食べなくてもいいようにすればいいのではないか。ヨウ素やセシウムなど食べたくない。一体、だれが食べさそうとしているのか。
24)必死になって、大丈夫、大丈夫、と国民をなだめすかす前に、このような事態がおこるのを未然に防ぐために、原発をとっくにやめなければならなかったのだ。国民を説得するのではなく、原発を推進する勢力をこそ、徹底的に「規制」しなければならないのではないか。
25)子どもたちが浴びる空間照射線量の上限を「年間20ミリシーベルト」としたあと、「年間1ミリシーベルト以下を目指す」と加えたようだが、こんなのも、なんだかまやかしだなぁ。もともと、ゼロが正しいわけでしょう。自然界にもともとあるものがあるとするなら、まずは、自然界のそのバランスをみだりに変えてしまうことは、神ならぬ人間の行為としては、責任のとれない愚挙といえるのではないか。
26)原発推進派は、猛省しよう。
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