報道災害〈原発編〉 事実を伝えないメディアの大罪 上杉隆
「報道災害〈原発編〉」 事実を伝えないメディアの大罪
上杉隆/烏賀陽弘道 2011/07 幻冬舎 新書 310p
Vol.3 No.0421★☆☆☆☆
1)上杉という人、才能はある人なのだろうが、いわゆるジャーナリストとしては適正があるかどうかは、さだかではない。
2)以前「ジャーナリズム崩壊」を読んだ時も、なんだかなぁ、という脱落感を感じた。
3)私論ではあるが、私はジャーナリズム、ジャーナリストというものは、もっと黒子的存在であっていいと思う。なにかお笑いタレントのように目立ってしまうのは、ジャーナリズムの本道からは外れていると思う。
4)そのテーマが政治であれ、災害であれ、じっくりと記録し続けてこそのジャーナリズムではなかろうか。原発なら原発に、何十年と付きまとって追いかけている名ジャーナリストもたくさんいる。災害なら災害で、災害が起きる前から、ずっと同じ地域を愛して報道し続けている記者たちがたくさんいる。
5)この人は、私がみる限りにおいて、できるだけ目立つテーマを率先して手掛ける才能はあるのだろうが、どうも腹からの説得力がない。「ジャーナリスト無期限活動休止のお知らせ」とかを流したとか言われているが、ああそうですか、という感じ。いずれは何らかの形でそう成らざるを得なかったのではないだろうか。
6)といいつつ、確かに今回の原発事故の報道については、ジャーナリズムは反省すべき点は多くある。普段からの不勉強はお互いさまだが、一般大衆よりは半歩前にいてリードすべきジャーナリズムが、権力の走狗になってしまってはいけない。
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