« 宮城県気仙沼発!ファイト新聞 | トップページ | 3.11から始まったこと ~東京電力福島第一原子力発電所原発震災を生きる私たちへの提言~ 小出裕章講演会 »

2011/08/05

外国人が見た東日本大震災 エハン・デラヴィ

【送料無料】外国人が見た東日本大震災
「外国人が見た東日本大震災」 
エハン・デラヴィ 2011/06 武田ランダムハウスジャパン 単行本 207p
Vol.3 No.0386★☆☆☆☆

 

1)この本を評価するのは難しい。難解なことが書いてある、という意味ではなく、どのような表現を使えば、一番公平か、という意味においてだ。私自身の素直な気持ちを書いておけば、これは、あいも変わらずのペテン師による一冊、という表現になってしまう。

 

2)仙台では、被災地のような場所をほとんど見ない。ところが、女川に行ったら、これが被災地ですとしかいいようのない光景。なぜならば、大地自体が震えているわけよ。自然界がショック状態になっていることを、まず全身の細胞でキャッチする。これは人のお墓なんですよ、見えているものが。p175「講演『これからだよ、日本は!』」

 

3)引っ張り出せばきりがないが、卑近な例では、上のような表現がある。この人は仙台のどこを見たのだろう。青葉区か、泉区か、太白区? 宮城野区とか、若林区は見たのだろうか。若林区の荒浜地区や宮城野区の仙台新港周辺などを、見たならば、上のような表現はできない。防風林に引っ掛かった200人の死体のことなど、なんにも分かっていない。

 

4)ことほど左様に、この本全編に、ペテン師特有の異臭が漂う。

 

5)被災者の方に直接話を聞くと、「地震の被害からは必ず復興できる。でも放射能が怖い」と誰もが不安な様子でした。僕はそんな被災者の人たちの心配を取り除こうと、放射能は怖くないと説明しましたが、やはり疑っているようでした。p145「特別インタビュー『放射能の真実』」

 

6)この部分を読んだだけでも、自称「ジャーナリスト」の著者の言説に疑いを持たない人は少ないだろう。連綿と放射能無害説を唱えるこの本は、ぜんぜん「科学的」でないばかりか、デマの集大成でしかない。

 

7)ただ一点、敢えてこの著者を助けたいと思うのは、「意識」をテーマにして語っているあたり。見ている方向は間違っていないと思うが、方法論が間違っている。ウソも方便というが、これだけウソ丸見えでは、方便としてさえ役立たない。

 

8)著者の前著「フォトン・ベルトの真相」他、いくつかをめくってみたが、ぜんぜん感心しない。

 

9)著者は名前をJ・C・ガブリエルと名前を変えつつあるようだ。9.11や2011問題などに、エキセントリックかつ激情的に自説をぶちあげる著者ではあるが、この人はやはり、旧来的ペテン師、あるいは、亜流カルト・リーダー、というカテゴリに分類しておいて間違いないようだ。

|

« 宮城県気仙沼発!ファイト新聞 | トップページ | 3.11から始まったこと ~東京電力福島第一原子力発電所原発震災を生きる私たちへの提言~ 小出裕章講演会 »

37)3.11天地人」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 外国人が見た東日本大震災 エハン・デラヴィ:

« 宮城県気仙沼発!ファイト新聞 | トップページ | 3.11から始まったこと ~東京電力福島第一原子力発電所原発震災を生きる私たちへの提言~ 小出裕章講演会 »