わが家も太陽光発電 Asahi original
「わが家も太陽光発電」 Asahi original
朝日新聞出版 2010/06 ムックその他 145p
Vol.3 No.0384★★★★★
1)ほんわかムードのムックだが、本気になって太陽光発電を導入しようとするなら、この本は役に立ちそう。
2)阪神淡路大震災直後に検討した時には、いくら補助金があったとしても、まだまだ現実的なプランではなかった。それこそボランティア気分で導入しようとしても、数百万では、一般家庭ではとてもとてもそんな冒険はできなかった。
3)しかし、2009年11月から、余剰電力を1キロワット時当たり48円で買い取ってくれることになってから、かなり現実的な話になってきた。申込時から10年間の限定とは言え、その10年間で十分初期投資を回収できそうだ。この制度は、現在でも続いているのだろうか(あとで調べよう)。
4)初期的な補助金もついているらしい。これは各都道府県や自治体での違いがあるので、自分の予定地の状況を調べなくてはならないが、それでも夢がある。
5)太陽光パネルには、いろいろな種類があるらしい。
・単結晶シリコン
・多結晶シリコン
・アモルファスシリコン
・ハイブリッド型
・CIS、CIGS
6)単結晶シリコンは転換効率は高いが、コストが高くつく。中国のサンテックパワーや東芝が扱っている。多結晶シリコンはシャープ、京セラ、三菱電機などが製品化していて、コストを抑えているが、変換効率は下がるらしい。いずれ導入するなら、これらの違いはキチンと自分なりに整理しなければならない。
7)製造時のエネルギーは1年半から2年で回収できるといわれており、それ以降はすべて収支がプラスになるわけです。p79「太陽電池は本当にエコなのか」
8)ほとんどボランティア意識がないと導入できない太陽光発電システムである。本当にエコなのかどうかを確認しておく必要はある。
9)10年で元を取るのはまだ難しいのが正直なところ。ただ、12~15年という期間があれば、十分回収可能な時代に入ったと言えそうです。p82「最終的に設置コストは回収できるの?」
10)今回の事故で、本当に原発が全て廃炉となり、代替の持続可能なエネルギーに変換しなければならない、と明確になるのなら、わが家も太陽光発電を導入するだろう。ほとんどそれしかない。一家のライフスタイルで考えるなら、当然のコストだと考えることができる。
11)通常、一般家庭に載る太陽光発電のシステムは、出力3~4キロワット程度です。それに対し、1メガワットの発電所となると250~330倍の規模ですから、その並はずれた大きさがわかると思います。p70「日本でも増え始めたメガソーラー発電所」
12)一般家庭ではギリギリの経済性だが、工場などの製造用としてのメガソーラーはどうなのだろう。光がなくなる夜になれば発電しなくなるのだから、安定しないのはしかたないが、バッテリーなどの周辺技術がリーズナブルに提供されるようになれば、もっともっとメガソーラーが普及してしかるべきだ。
13)3.11東日本大震災で被災した沿岸部も、瓦礫かたづけが進行し、準備のできたところから次第に復興プランができあがりつつある。そのプランの中にはメガソーラーを基本的な構造として組込んでいるものもでてきている。
14)自然エネルギーには可能性もあるが限界もある。当然のことだ。しかし、今回、とにかくこれだけの事故を起こした原発はだめでしょう。コストばかりか、汚染源として増え続けるのは倫理的にも問題がある。そろそろ、太陽光発電をシンボルとする持続可能なエネルギーを本気になって考え導入するべき時期に来ていると言える。
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