今こそ知りたい最新ガイド太陽光発電<2> ニュートンムック
「今こそ知りたい最新ガイド太陽光発電」 <2>NEWTON別冊
ニュートンムック 2011/08 ニュートンプレス ムック 159p
★★★★★
1)前回は、書店の立ち読みだったが、やっぱり気になって一冊購入することにした。
2)一番気になったところは、CISに関する部分。
3)多結晶シリコン太陽電池をおいかけるように開発が進められてきたのが、化合物系太陽電池のCIS太陽電池だ。p8「CIS太陽電池の本格市場参入がはじまった」
4)CIS太陽電池に関しては、ソーラーフロンティア社が宮崎に世界最大の工場を新たに建設し、2011年4月から本格運用をはじめた。この工場の稼働によって、同社のCIS太陽電池の年間生産能力は約1ギガワットとなり、CIS太陽電池が市場に大量投入されることになった。p8「CIS太陽電池の本格市場参入がはじまった」
5)日テレのテレショッピングでソーラーフロンティアの、2.4kw発電で105万円コースが話題になっている。付属品や工事費込みで、ローン手数料込み。なかなか魅力的なコースではあるが、8m×4mの屋根の面積が必要だ。誰でも、何処でも、というわけにはいかないようだ。
6)ソーラーフロンティアの社員(技術戦略企画部)がインタビューに答えている。
7)櫛谷(勝己)---これから太陽電池企業のコスト競争といういうのは、ますます激化していくでしょう。つまり、企業は技術とコストの両方の競争力がなければいきていけません。競争力がなければ、その市場から撤退しなければいけないのです。
現時点ではCIS太陽電池は圧倒的な小数派です。ギガワットレベルの生産能力をもっているのは弊社だけですが、弊社だけが生き残ればよいというものではありません。多結晶シリコン太陽電池のように、多用なメーカーが参入してこそ、CIS太陽電池の競争力が生まれ、その未来が開けてくるのだと思います。p50「化合物系太陽電池の本格生産がはじまった」
8)CISは生産コストや技術の先進性などから、今後の主流になるのではないか、と個人的に感じたのだが、必ずしも、そうとも言えないようだ。かつてのマーケット事情、例えばビデオのVHSとベータの競争や、ウィンドウズとマックの競争、インターネットエクスプローラーとネットスケープの競争、などなどが思いだされる。必ずしも良いものだけが残るとは限らない。
9)CIS太陽電池は、結晶シリコン太陽電池より、太陽光の領域が広いという特性をもつ。また、結晶シリコン太陽でとはことなり、影の影響にも相対的に強い特性ももっている。こうした特性から、1年間の総発電量は従来の結晶シリコン太陽電池と比較して約8%多くなる。
薄膜であるCIS太陽電池は、結晶シリコン太陽電池と比較して約100分の1のうすさである。そのため、資源の消費をおさえることもできる。ソーラーフロンティアの生産工程はシンプルになっているため、生産工程全体で消費するエネルギーもおさえられている。p98「CIS太陽電池の大量生産を開始 ソーラーフロンティア」
10)総額100万円、初期投資を10年で回収、を目標とする当ブログの目論見は、はからずも日テレ+ソーラーフロンティアの販売戦略で叶えられることになる。しかしながら、このコースの弱点は、屋根の面積に制限があること。今のところ、残念ながら、我が家の屋根は若干だが、外れてしまうことになる。複数見積もりを取る中で、その点は克服されるかもしれない、といろいろ画策中。
11)太陽電池の性能指標の一つである「変換効率」は、現時点でこそ単結晶シリコン、多結晶シリコンが優位に立っているが、化合物系をはじめとして、シリコン系を含む各太陽電池すべてにまだ発展の余地があるとみられている。そのタイプの太陽電池も今後、大きな活躍が期待されている。p140「各太陽電池のメリットとデメリット」
12)個人的には、多結晶 VS CISと見ているが、勝ち馬に乗りたい消費者心理から言えば、もうすこし模様眺めしていたい気分だ。一回決定すれば、人生一回の決定となるだけに、なかなか悩ましい選択肢ではある。
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