3・11あの日のこと、あの日からのこと 震災体験から宮城の子ども・学校を語る みやぎ教育文化研究センター
「3・11あの日のこと、あの日からのこと」 震災体験から宮城の子ども・学校を語る
みやぎ教育文化研究センター/日本臨床教育学会 2011/09 かもがわ出版 単行本 159p
Vol.3 No.0467★★★★☆
1)3.11以降に発行された本を見ると、ほとんどの本にあの日の2時46分の体験を書いている。ひとりひとりがそれぞれで、まさに日本列島に「STOP!」の掛け声がかかったようなものだった。
2)もし可能ならば、そのような体験の部分だけを全部抜き書きして一冊にしたら、結構な「文学」になるのではないか、とさえ思った。
3)当ブログでは、趣向はちょっとちがうが、各本にでている「オム・マニ・パドメ・フム」だけを抜き出してみたりしたことがある。これはこれでかなり興味深いものだった。
4)この本は、宮城県内の教育関係者がその3.11体験をつづったものである。
5)どのような体験をしましたか、なんてことはなかなか聞けない。話していただけることを、ただただ拝聴するだけである。
6)あの日の3月11日午後2時46分、私は学校の図書館にいた。
2日前の入試のときにも地震が来ていたので、今度もまたかと思った。だが、いやに激しくて、しかも長い、これ以上ここにいては危ない、逃げないと!
3階の図書館から他の職員と一緒に階段をくだり、避難所になっているグランドに走った。ネットを支えるコンクリートの柱が目に見えて揺らいでいる。柱から離れろ!
しばらくして、やっと揺れは収まった。図書館の鉄製の書棚が4台は同じ方向へなぎ倒されていた。また円形の回転書棚はみごとに横になっていた。本の洪水の様相だった。p125「野球場にアメーバのように水が」
7)図書館や書店勤務の人々は同じような体験をしただろう。学校の関係者は、もっと広範な立場にあったことだろう。
8)いかに「自然は人間に無関心」であろうと、自然に生かしてもらっている者としての深い関心と、そこに生きる喜びと、同時に自然への畏怖の念をもたなければならないと思う。そのうえで、2万人以上の犠牲者、十数万人の避難民を作った試練の事実を経て、学校が、教育がどう変わらなければならないか、何が変わらなければならいないかを考えずにすますわけにはいかない。p7「はじめに」
9)気仙沼の小学生たちが避難所で作った「ファイト新聞」にも心打たれた。
10)3.11からをいかに生きるか。問われるのはこれからだ。
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コメント
pexyさん
基本的には個人的な読書メモですが、よろしかったらどうぞ。
投稿: Bhavesh | 2011/09/19 17:55
こんにちは、ぼちぼち眺めてます。なかなか精力的ですね。
私のサイトで紹介しようかなと思ってますが、
かまいませんか?
投稿: pexy | 2011/09/19 16:12