もしも、IH調理器を使っていたなら 家族の命の損得勘定を 船瀬俊介
「もしも、IH調理器を使っていたなら」 家族の命の損得勘定を
船瀬俊介 2010/11 三五館 単行本 106p
Vol.3 No.0473★★★☆☆
1)太陽光発電を調べていくと、エコキュートやIH調理器が、当たり前のようにセットとなって話題となっている。我が家では、そちらの方向に進むことはほとんど考えていないのだが、いちいちセットで話題がでてくるので、気にはなっていた。
2)この本、3.11の半年前にでた本だが、徹底的にIH調理器を批判しまくっている。船瀬俊介という人の著書リストを見ていくと、1999年の「買ってはいけない」がトップにでてくるので、なるほど、この辺あたりが出自の人なのかな、と思う。
3)「原発で作った電気でお湯を沸かすのは、バターをチェーンソーで切るようなもの」と、世界的な自然エネルギーの権威であるE.ロビンズ博士は語っています。p105「あとがき」
4)3.11以後なら、この人は、電力行政全体を一体どのように表現しているのだろう。
5)風力、水力、地熱をはじめ、太陽光発電などを含め、この国の電力行政は、ある大きなシナリオのもとに進んでいた。その中核を占めていたのが原発である。その原発がこのような事故を起こし、他の50以上ある原発の同じような脆弱性と危険性が暴露されてしまったのだから、ビジネスモデル全体が見直されなければならない。
6)その中においても、この本の主テーマであるIH調理器は、この本を読む限り、いいところは一つもない。もともと導入する気はなかったが、ますます困ったものだと思う。そしてまた、自分で使わなくとも、世の中にどんどん増えていた(過去形にしておこう)、としたら、これは大変なことだな、と思う。
7)ただし、この手の本は、他の意見も参考しながら読まなければならないので、この本一冊だけでは、IH調理器を「断罪」することはできない。
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