野草で楽しむ散歩術 岡本信人
「野草で楽しむ散歩術」
岡本信人 2010/04 ぶんか社 単行本 175p
Vol.3 No.0458★★★★☆
1)もし自分がいつも散歩しているすぐそこの街角で「ECOシティ」プロジェクトが進行中なのだとするならば、白隠禅師がいうごとく、当処即ち蓮華国、この地を離れてどこかに行こうとする必要などない。
2)そう思うと、歩く道端の草たちでさえ、なにやら親しく話しかけてくる。
3)野草を採るには、いったいどこに行ったらいいのでしょう? 登山靴を履いて、ステッキやコンパスを持って、始発電車に乗ってどこか山奥まで行かないといけないのでしょうか? 山菜やキノコを採るならば、そういうことも必要になるでしょうが、野菜採りの場合はそんなに身構えることはありません。家からほど近い、街角にもたくさんの種類の野草を見つけることができるのです。p16「街角、土手、小川、さまざまな場所で野草を採ろう!」
4)著者は、野草を見て楽しむばかりか、採ってきて食べてしまう達人である。野草とはいても毒草もあり、アクもある。除草剤がかかっているかもしれないし、犬たちのマーキングの場所に生えていたかもしれない。私は、そう簡単に野草を食べる気にはなれない。
5)とは思ったが、よくよく考えてみれば、我が家の駐車場の脇の小さな空き地にも、フキノトウやブルーベリー、コンフリー、シソ、ローズマリー、セイジ、タイム、ホワイトベリー、トウガラシ、などなどが生息している。その幾つかは、わが食卓に毎年載っているのだった。
7)この本は全頁アート紙にカラー印刷されていて、きれいな図鑑になっている。図鑑をみただけでは、なかなか見分けることはできないが、すくなくとも、このような感性を持って散歩することができれば、なお楽しいだろうな、と思う。
8)ECOシティなんていう「ホトケ」ばかり作っても、そこに住む魂をも考えないといけない。此の身即ち仏なり。なにか素晴らしい存在を求めることではなく、自らのなかに神秘をみつけていくこともまた、ひとつの「センス・オブ・ワンダー」ではあるだろう。
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