災害時帰宅支援ハンドブック 万一の際に帰宅難民にならないための「モノ」「ノウハウ」「サービス」 別冊Goods press
「災害時帰宅支援ハンドブック」 万一の際に帰宅難民にならないための「モノ」「ノウハウ」「サービス」
別冊Goods press 2011/05 徳間書店 ムック 64p
Vol.3 No.0439★★★★☆
1)基本的には首都圏の30歳をピークとする若い世代をターゲットとするサバイバルブックである。Be-pal編集「命を守る防災サバイバルBOOK」に準じた内容だ。難民A 「帰宅難民なう。」 のような体験をしたスタッフもいることだろう。そのような体験がもととなって、教訓としてこの一冊ができている。
2)大晦日の夜がそうであるように、携帯電話は大勢が一度に利用すると直ぐに回線がパンクする。東日本大震災時にTwitterで情報をキャッチし続けられたのは、スマートフォンをポケットWiFiやWiMaxなど、利用者が比較的少ない、”代替通信手段”につないでいたユーザーたちだ。p46「通信がマヒしても情報は切らさない! WiFiルーターを持ち歩く」
3)大晦日の夜と、災害時の通信状態はまるで違う。災害時には、そもそも通信回線が制限される。そして基地局が破損している可能性もある。つながる基地局を探して電波を飛ばすため、ケータイやスマートフォンの電池はすぐなくなる。30分も放置していたら、電池はあっという間になくなる。
4)ポケットWiFiだろうが、ツイッターだろうが、繋がり続けた、なんてところは、被災度が軽いところである。
5)「津波てんでんこ」。まずは自らの命の確保が大切。情報なんて二の次、三の次。
6)「トラブルが発生しやすいと想定されるエリア」p12という地図は東京都だけが書いてある。なるほど、この本のタイトルは「災害時 帰宅支援ハンドブック」だった。帰宅困難な状況が生まれるのは大都市である。
7)いずれにせよ、時々、みずからの防災意識をブラッシュアップしておくことは必要であろう。本当に被災時にこのようなハンドブックが「役立つ」ようであれば、普段から能天気でなにもしていなかった、ということになる。
8)オールカラーでコンパクト、お手軽できれいなハンドブックではあるが、内容的には、どうということのない、当たり前の本である。
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