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2011/09/17

太陽電池のしくみ サイエンス徹底図解 瀬川浩司他

【送料無料】太陽電池のしくみ
「太陽電池のしくみ」 サイエンス徹底図解
瀬川浩司/小関珠音 2010/05 新星出版社 単行本 183p
Vol.3 No.0463★★★★☆

1)震災で、大型家電店が長い間閉鎖していた。震災後数カ月にして、ようやくこの頃、復興開店にこぎつけた店がほとんどだ。

2)久しぶりに行ってみると、太陽光発電コーナーが大きくスペースを取っている。他の商品が揃わないので、空きスペースを太陽パネルなどで埋めている、という感もないではないが、各メーカーのパンフレットは揃っている。ただ、店頭では受付だけで、関連会社や下請けに見積もりを獲らせる、というシステム。店頭での見積もりはほとんどできない。

3)キャンペーンのチラシなどもあるが、ざっと見て価格的には各社それほど大きな違いはない。

4)ネットでの数社見積もりというところに2件リクエストしておいた。それぞれ2社づつ、近場の工事店が現地を見て、見積もりを出してきた。

5)4社のプランは、はっきり言って、各社似たり寄ったり。あとは工事方法やパネルのメーカー、工事店の住所などが違ってくるだけだ。

6)もう一社、通販で破格の値段を出していたところがあったので、こちらも現地見積もりを頼んでおいた。さすがに込みあっていて、1週間から10日ほどかかります、ということだったので、いいですよ、と答えておいた。

7)しかし連絡が来たのは2週間経過してから。しかも、現地に行けないので、自宅の立面図と平面図をファックスで会社に送ってほしい、とのこと。それを見て見積もりを出すと。そして、実際に現地見積もりに来るのは最初から換算すると、2カ月後になるという。

8)なるほどなぁ、とは思ったが、これでは実質、交渉停止でしかない。いちおう見積もりだけでも取っておこうかな、とは思ったが、工事を依頼できるような状況ではないだろう。

9)当ブログの最初の目論見は、先行投資100万で、10年で回収できないか、というところにあった。唯一この通販会社が工事費込み105万円、ローン手数料(48回まで)金利ゼロというプランを出していた。

10)瓦屋根の場合は別途別料金とか、カラー表示のパネルはつかない、4年ごとの定期検査は有料など、たしかに不安要素はあるにしても、ほとんど唯一当ブログの願いを叶えてくれそうなプランだったので、ちょっと残念だった。

11)こうしてみると、ざっくりと考えると、4人暮らし、3kwのパネルで、初期投資150万、金利3%で、15年で回収、というのが実質的状況である。これではいくら売電という保証があったにせよ、家計の経済状況だけ考えるのであれば、メリットはない、と断定せざるを得ない。

12)今回シュミレーションしてみて、いろいろ自分の消費電力の在り方が分かった。我が家では月500kwhの電気を使い、夏と冬の電気量が高く、春秋は少ない。我が家では過去15年間のデータを取ってあるので、その動きがなかなか面白かった。家族の数の動向、成長の過程、あるいは、今後の予想家族数など、いろいろプランニングして見るのは、おもしろかった。

13)2007年から日本とドイツで量産が開始されたのがCIS/CIGS太陽電池と呼ばれる、化合物半導体系太陽電池です。p66「シリコンを使わない化合物半導体系太陽電池」

14)私はこれがいいと思った。値段が安い。ただ、実際に話を聞いてみると、同じ発電量に対して、屋根の面積を広く必要とする。我が家の場合、真南に向かった27度(5寸勾配)の切妻屋根であるのに、ロフトの屋根の位置などから、充分な面積が取れないのであった。

15)市場は6941MWと拡大し、2005年と比較してほぼ4倍に到達しましたが、日本企業は上位10社のうちシャープと京セラの2社しか入っていません。Qセルズ(独)やファーストソーラー(米)といった欧米企業だけでなく、サンテックパワーとはじめとした中国企業群が躍進しています。p90「太陽電池の生産の国別・メーカー別シェア」

16)メーカー選びも大切だ。カナダやドイツなどのメーカーは寒冷地につよいというセールストークだが、それは本当か。中国製はやはり性能が悪いのか。

17)ただ、パネル自体が安くなっても、工事全体のうちに占める工賃がかなりのウエイトなので、大量生産したからと言って、日本では今後劇的に安くなる、ということは期待できにくい状況にある。100万を10年で回収は、まだまだ夢であるようだ。実質的に普及するのは、50万を5年で回収、という時代がこないとだめだろう、という感触。

18)システム・インテグレーター 顧客のニースに合わせた太陽光発電システムを供給するために、たとえば太陽光発電システムを中心に、オール電化、蓄電池、電機自動車、家電など、異なるさまざまなシステムを、正しく機能させつつ、それらを一括して企画から保守まで請け負う知識・技術を持つ者のこと。p116「顧客に最適解を提供するシステム・インテグレーター」

19)現在の我が家が必要なのは、このシステム・インテグレーターであろう。ドイツなどでは、このシステムが機能し始めているというが、日本では、この役目を各工事店が負っているので、公正な情報は受けにくい。信頼できる有能な太陽電池システム・インテグレーターが闊歩する時代がくれば、太陽光発電システムも、もっともっと一般的になるにちがいない。

20)10年間で太陽電池の投資を回収・・・ただし、4人家族が必要とする太陽電池システムは、185万円よりも高い場合が多い。さらにパワーコンディショナー(20万~40万円/台)は、10年から15年の間で買い替えが必要になることも。また定期的メンテナンス費用につても、留意が必要。p122「一般家庭における太陽電池導入の採算性は?」

21)この本は昨年の5月にでた本だから情報は古い。基礎数字を入れ替えて、現金で導入したとしても10年で回収はまだできない。金利3%と考えると完全にアウト。

22)メガソーラー発電導入計画・・・・合計14万KWの発電ができるメガソーラー発電所を建設するためには、約400万m2のスペースが必要とされる。また電気事業連合会はメガソーラー発電の導入計画と同時に、電気自動車の導入も発表した。2020年度までに電力10社合計で業務用車両1万台を導入する予定である。p156「国内のメガソーラー計画」

23)ここでの文言は、3.11以前のものである。現在なら、当然、脱原発を前提として、電気自動車の導入計画も、大きく見直される必要があるだろう。

24)この本、一年半前にでた本ではあるが、よくまとまっている。

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