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2011/10/10

原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島<2> 広瀬隆

<1>よりつづく

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「原子炉時限爆弾」 大地震におびえる日本列島<2>
広瀬隆 2010/08  ダイヤモンド社 単行本 308p

1)「3.11<後>を生きる」ということは、本質的に「3.11<前>を生きる」ということと、大きな違いがあるはずがない。人間として、ひとりの地球人として生きる、ということにその前後に大きな違いがあったとするなら、その<3.11>とは何であったか、ということが問われてくる。

2)「3.11」とは、西暦2011年3月11日午後2時46分、あるいはそれから2分間の、ある時間帯に限られたことではない。その時点で起きた巨大地震に引き続き起こった巨大津波、そして、さらに続いた原発震災、それらの総称であり、その災害の総称である。

3)しかし、その巨大災害は、突如としてあの日「3.11」として人類の前に登場したのか。それまでは一切想像だにできなかった事態だったのか。そう問われれば、そうではない、そうではなかった、というしかない。

4)「3.11」を警告し、警鐘を乱打していた人々はたくさんいたのである。それをどれほど自らの問題として理解し、その問題の回避に努力していたかはともかくとして、ほとんどの人が、そのリスクについては、うすうす気がついていたのである。いつかは来る、と公けに警告されていたのである。

5)巨大地震→巨大津波→原発震災、と続いたかぎり、まずはその巨大地震のメカニズムについて知らなければならない。巨大地震が繰り返されてきたことは、多くの予言書があった。すくなくとも3.11がやってくる一年前に「NHKスペシャル MEGAQUAKE 巨大地震―あなたの大切な人を守り抜くために!」(2010)に警告されていた。

6)そして、すくなくとも、岩手県の三陸海岸から福島県いわき地方にかけての巨大津波が押し寄せてくることは、飯沼勇義の「仙台平野の歴史津波―巨大津波が仙台平野を襲う!」(1995)に明記されていた。それはすでに16年前のことで、ほとんど予言されていた通りに3.11として現実化したといえる。

7)そして、原発震災も多くの意識ある人びとによって警鐘をならされていた。その最右翼とも言うべき本がこの「原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島」(2010/08)である。このような、ある意味、突拍子もないことが、わずか半年後に現実化した。しかも、予想された規模を上回る規模で現出してしまったのである。

8)「3.11」とは何か、と問う時、たしかに2011年の3月11日に起きた災害を思い出してしまうが、実際には、上記の3冊が予言しているのは、もっと幅が広く、もっともっと多発し得る、ということである。

9)つまり、少なくとも、<3.11前>から予告されていた<3.11>は終わっていないのである。もう<3.11>は終わった、とは決して言えないのである。

10)それは、震災の片づけに10年、20年かかり、原発が放出した放射性物質の悪影響が消えるまで10万年、100万年かかる、という意味ばかりではない。

11)これからさらに<3.11>は、新たに次々と起こってくるのである。それはもう予定として組み込まれている、と言える。それは以前にもあったし、これからもあるのである。

12)人間の人生80年~100年のサイクルでは見逃しがちではあるが、実は地球は生きている。大きなスパンでその生命を維持している。私たち地球人は、その地球の上で生かされているのである。

13)現代の若者も、そろそろ傍観する優柔不断な評論家スタイルの自分を捨て、立ち上がって、知性的な声を上げるべき時である。室内にとじこもって、インターネットだけに頼るようでは、道は開かれない。インターネットで計算ずくの行動をしたとて、社会は変わらない。では、どうすればよいのか。それは自分の知恵をしぼって考えることだ。2010年8月6日 p283「電力会社へのあとがき--畢竟、日本にすむすべての人に対して」

14)意識を持って<3.11前>を生きていた限り、<3.11>のひとつの現象に遭遇したとしても、<3.11>が終わっていない限り、いまだに<3.11後>になったとは言えない。

15)表面的には時系列的には<3.11後>ではあるかも知れないが、いまだに<3.11前>なのであり、<3.11>そのもののなのである。今後とも、新たなる<3.11>はやってくる。この地球、この日本、この自分が住む街が、<3.11>と化したのである。

16)まず、巨大地震がやってくることは間違いないのだ。それは春がやって来て、夏がやってきて、秋、冬がやってくる、というくらい間違いがない。これは地球上に生きる、ひとりひとりの人間として、ごく当たり前のことととして受け入れるしかない。

17)そして、それに伴う巨大津波は起こるのであり、その津波の被害を最小限にとどめるように、自らのライフスタイルを創造していくしかない。都市を考え、生活の在り方を考える。高層ビル群のような都市構造は亡くしていかなければならない。

18)そして、原発震災。これは絶対避けなければならない。これは人類がコントロールできる技術ではなかった。巨大地震、巨大津波がこなくても、人類は原発震災を起し続けている。ましてや、巨大な地球の動きの上では、原発は即刻中止し、後始末をキチンと始める時期なのである。

19)読書ブログとしての当ブログは、<3.11前>に、一般の公立図書館の2500冊ほどの本を、手当たり次第、ランダムに読み込んできた。その中から、これは、と思える本を何冊か選びとってきた。これから、それらの再読モードに入っていく。そして、それらを<3.11>というプラットフォームの上に広げる形で再検証していくことになる。

20)当ブログにおける「3.11後を生きる」とは、そういう意味をも持っている。

<3>につづく

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