チベット密教瞑想入門 ソナム・ギャルツェン・ゴンタ <1>
「チベット密教瞑想入門」 <1>
ソナム・ギャルツェン・ゴンタ 2011/08 法蔵館 単行本 261p
Vol.3 No.0478★★★★☆
1)現在の流れで言えば、唐突という感じもするが、実際は、当ブログの全体の流れはこちらのほうに傾いていた。「チベット密教」関連一覧リスト 、「ダライ・ラマ」関連リスト、「さらに深くチベットの歴史を知るための読書案内」 とか「マンダラをさらに深く知るために」など、あるいはOM MANI PADME HUM一覧など、気の向くまま、図書館から借りだした本をメモしてきた。
2)ここに来て3.11関連本を100冊以上読んでみて、ちょっと息切れ、そんな時、新刊コーナーに「チベット密教瞑想入門」などといタイトルが並んでいると、ついつい読みたくなる。
3)本書は1996年に金花舎から出版された「チベット密教の瞑想法」に基づいて内容を見直し、帰依についての詳しい説明と、「ガンデン・ラギャマのグル・ヨーガ」についての解説、そして、曼荼羅供養についての実際の実践法の詳細説明などを新しく付け加え、偉大なる四つの前行の教えすべてを揃えたものになっています。pviii「はじめに」
4)チベット密教瞑想入門、とはいうものの、この本は極めて総合的であり、必ずしも初心者用の入門書ではない。基本中の基本がキチンと語られており、チベット密教もまた仏教であるならば、これは仏教の基本中の基本が書かれている本ということになる。
5)チベット密教であるならば、それは瞑想と切り離しては考えることはできないので、仏教の真髄を表わしながら、また、この本こそ、チベット密教の文化の骨格をキチンと把握している本もない、というくらい緻密である。
6)さて、しかしながら、仏教があり、チベット密教が、システムとして外在していたとしても、そこに人間がいなければ、なんの役にも立たないことになりかねない。現代人、とりわけ地球人において、さて、仏教やチベット密教が、避けては通れない、唯一の道になっているか、と問われれば、必ずしもそうとは言えない。
7)つまり、ひとりの地球人が人間として生きていくにあたって、仏教徒であり、自らの道としてチベット密教を選びとるとするならば、この本にこそ帰依すべきである、とさえいえる。あるいは、道として選択できないまでも、何事かの魅力を感じることができるとすれば、この本から人はチベット密教を学び、仏教をまなび、人間そのものの生き方を学ぶことができる、ということになろう。
8)折に触れ、タイミングを見て、このような本に出会えることはうれしい。手元にあっても、なかなか機縁がないと読み込めない。少しでも、半分でも、途中からでも、このような本を読みこめるということは、人間として幸せなことである。
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