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2011/10/21

神秘主義とアメリカ文学 志村正雄 神秘主義―ヨーロッパ精神の底流

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「神秘主義―ヨーロッパ精神の底流」
川端 香男里 編 他 1988/05  せりか書房 単行本: 217p
Vol.3 No.0501★★★☆☆

1)こちらも山里勝己「場所を生きる ゲ-リ-・スナイダ-の世界」の<註>を手掛かりに探してきたものだが、スナイダー←→賢治の相互ベクトルを探しだすにには、貴重な手掛かりと言える。お目当ては志村正雄の「神秘主義とアメリカ文学」という40頁弱の小論。

2)こういうところから出発してスナイダーは日本の宮沢賢治を発見した。ここにはオルソンの理論をその30年も前に実行していた詩人がいたと思ったに違いないと私は思います。

 野山を歩きまわって、首からさげた書冊にすばやく詩を書いて行ったこの神秘主義詩人の作品にスナイダーは共鳴したに違いありません。

 だから詩集「奥の国」」(バック・カントリー)(1968年)の第五部を「宮沢賢治」と題して、実体は18篇の賢治の英訳でありながら「訳」という言葉をどこにも使わずに提示したのだと思います。つまりスナイダーが賢治になって、もしくは賢治がスナイダーになって、これを英語で書いたという含みなのです。p203

3)なるほど、これはますます「奥の国」と、それに対応する賢治の詩集を探してみたくなる。

4)この本、「神秘主義」と銘打たれている。日本語において似たような言葉で表現されているものが複数あるが、厳密にどのように違うのかは、微妙なところ。

5)ただ、実際には、当ブログにおいて、三省→スナイダー→賢治、という流れの中で、当ブログ自身は、Oshoの「神秘家への道」へと繋がっていこう、としているわけだから、願わずして、おもしろい方向に展開しているぞ、という期待感が湧いてきた。

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