福島原発と人びと 広河隆一
「福島原発と人びと」
広河隆一 2011/08 岩波書店 新書 213p
Vol.3 No.0492★★★☆☆
1)このような記録は後々のために必要である、ということは分かっているのだが、一読者としては、もうtoo muchという気分である。それこそあまりに読み過ぎて、自ら過大な震災トラウマを作りだしてしまうかもしれない。
2)著者については、「暴走する原発」 (2011/05)を読んだ。これは以前に出版されたものの再版ものだったので、まずは最新のものにとりあえず、目を通しておく必要は感じていた。なんせ、著者は小出裕章、広瀬隆 との反原発最強トライアングルの一角を占める存在である。
3)3月13日、福島第一原発近くで私の放射線測定器が振り切れた後、電話が通じる場所を探して、広瀬隆氏に電話をした。彼は絶句して、できるだけ早くその場所を離れるようにと言った。(中略)
小出裕章氏にも連絡した。私は「原発震災について何度もDAYS(「DAYS JAPAN」)で取り上げていたにもかかわらず、いざ起こった時の準備を何もしていなかった。私の放射線測定器は降り切れてしまい、役に立たなかった」と伝えた。小出氏は「私もうかつだった」と語った。彼も実際に自分が予言していたことが起こった時に、何をすべきか、対処の仕方を本気で考えていなかった、と告げ、もう一度「うかつとしか言いようがありません」と言った。p182「間に合わなかった準備」
4)三者三様のキャラが際立っていて、興味深い部分である。
5)今回、この本について触れるのはこのくらいにしておく。フォトジャーナリストの著書だけに、新書本とは言え、豊富な写真がたくさん収容されている。時系列の内容も、あとあと読めば、かなりのドキュメンタリーとなるだろう。
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