「スマート日本」宣言 経済復興のためのエネルギー政策 村上憲郎/福井エドワード
「『スマート日本』宣言」 経済復興のためのエネルギー政策
村上憲郎/福井エドワード 2011/08 角川書店 新書 191p
Vol.3 No.0480★★★☆☆
1)このところ、頁をめくる手が動かない。文字を追う目もショボついて、どうも頭になにも入ってこない。メンドウな仕事が溜まり、血圧は一向に下がる気配がない。図書館復活後、手当たり次第3.11関連を読みこんだが、そろそろtoo muchになってきた。
2)「3.11天地人」カテゴリも現在残すところ数冊。このカテゴリをどんな本で締めようか、と考える時期になった。「3.11後を生きる」という後継のカテゴリのことを考えれば、すこしでも希望が見える方向性に持っていきたいものだと思う。
3)地震・津波、原発・放射線、そして「人」についてのものごと。カテゴリについて考えたが、どうもまだ収まりが悪い。かと言って、あまりいいアイディアもでてこない。ここはあわてずに、のんびりいくことに決めた。
4)この本、「スマート日本」のスマートは、いわゆるスマートフォンのスマートにつながるものであろう。
5)東日本大震災と原発事故が引き起こした電力危機は、我が国のエネルギー政策の問題点を顕わにした。その解決策として注目を集める「スマートグリッド」は、電力のみならず様々な新しいビジネスを育む可能性を秘めている。表紙見返し
6)我が家の電気量を最適化するためにスマートメーターを導入することもいいことだと思うし、持続可能なエネルギーを考える上では、屋根の上に太陽光パネルを乗せたいとも思う。復旧復興のモデルとして、スマートシティ、という概念も悪い物ではないと思う。
7)グリッドとウェブの差異
スマートグリッドは、モノではない。なんらかの「完成系」があるような技術の話にも限定されない。その上で、さまざまなサービスやビジネスが生まれるネットワークである。
インターネットはWWW(ワールドワイドウェブ)誕生以来の20年ほどで爆発的にふきゅうしたものの、大まかに行けば、スマートフォンを含むパソコン、プリンタと、せいぜいテレビにつながっている程度である。
一方、スマートグリッドは、まず、家の中で電気を使う機器のすべてにつながる。そして、冷蔵庫と発電所が会話するようになるのである。ネットワーク上のエンド・トゥー・エンドのコミュニケーションがひとつの特徴である。
「グリッド」という呼び方は、「ウェブ(蜘蛛の巣)」と同様に、洒落を込めた表現で値トワークを表わしている。「グリッド」とは、ちょうど城壁の内側のような「囲まれた地域」を意味しており、都市あるいはそれよりも少し広い地域をイメージさせる言葉である。厳密な定義はないが、ウェブの場合と比べると、地域性がある。そのため、「グリッドには個性がある」のである。p108
8)この本をめくる前に、まずは福井エドワードの「スマートグリッド入門」(2009)でも読むべきだった。ただ、今のところ、どうも当ブログは、これらのテクノロジーにのめり込むような方向性はでてこない感じだ。
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