ITで実現する震災・省電力BCP完全ガイド システム視点で事業継続計画を見直す 日経BPムック
「ITで実現する震災・省電力BCP完全ガイド」 システム視点で事業継続計画を見直す
日経BPムック 2011/06 日経コンピュ-タ編集部/日経情報ストラテジ-編集部 日経BP社/日経BPマ-ケティン ムック 194p
Vol.3 No.0493★★★☆☆
1)BCPとは、ビジネス・コンティニュティ・プラン、つまり事業継続計画、ということである。
2)つまり、個人におけるサバイバル・ブックのようなもので、いざという時のためにキチンと備えておきましょう、ということだ。
3)3.11後、沿岸部で被災した同業者が、セミナーの席でやたらと、このBCPを連呼していた。今現在、どれだけの同業者が自らの責任の名において、このBCPを立案しているか。早急にプランすべきだと。
4)津波によって、命以外、事務所や書類をすべて失い、残った財産は小さなポシェット一つという男に、説教もされたくもないが、「同情」かたがた、みんな黙って話を聞いていた。
5)いくらBCPを作っていても、今回、なんの影響もなく事業継続できた企業などない。いまだ復活していない企業もおおい。しかし、多くの企業は、復活、復旧しているのだから、いずれかの道程を経て、現状に戻ってきているのだ。
6)そのスピードアップを図ろうというのが、BCPの考え方であり、急がれる有効な対策である、ということになるのだろう。
7)この日経BPムックは、日経BP社が発行している複数のビジネス誌の中の関連記事を抜き出して来て整理・編集し、一部書き下ろしの部分を加えて一冊になったものである。業務上、このような部署で働く人や、トップにとっては、一度は考えておかなければならないテーマである。
8)翻って、わが業務のことを、自分なりに振り返ってみる。ある意味、3.11において、すべてのライフラインが断たれた数日は、仕事にならなかった。その後、影響が残り続けた。しかし、これはこれで仕方なかった、という思いしかない。
9)基本は、わがSOHOの場合、大きなバックアップは関連会社に残っており、業務もまたネットワーク上の他都市の他部門が引き受けてくれていたので、実質的には業務に影響をきたすことはすくなかった。
10)ライフラインの復活とともに、業務は復旧し、キャパを超えるほどの業務量が押し寄せてくることはなかった。むしろ、一番の影響は心理的なものであっただろう。
11)東日本大震災では、平野部までを襲う津波や計画停電など、想定外の事態が多発した。だからといって、「想定外をすべて無くさなければならない」と考えるのは誤解だ。p102「『3.11症候群』を脱出」
12)基本的には、「日照りの時は涙を流し、寒さの夏はオロオロ歩き、みんなにデクノボーと呼ばれ」ている程度でいいのではないか。すくなくとも、私の3.11は、そのようなものであった。
13)BCP=事業継続計画、と言った場合、部署部署においてその意味は違ってくるだろうが、私の業務の場合は、あれはあれでよかった、という程度である。通信や記録はほぼ2系列以上を確保していて、多少のことならすぐ対応できる。負荷はかかるが、ほとんど影響ないほど、ラインはシンプル化している。
14)あのBCPを連呼した沿岸部の同業者においても、ポシェット一つしか残らなくても、スタッフを失ったわけじゃなかったから、あとは周囲のヘルプもあり、基本的には、やるべき業務はすべてできたはずだ。むしろ、彼に対して敬服するのは、その被災直後から、意志をしっかり持ち、折れそうな心を抱えながら、最後まで業務に真正面から向かったことだろう。
15)一概に、がんばろうナントカ、と掛け声を掛け合うことだけがよいわけではない。普段からの防災意識やサバイバル対策を高め、BCPをしっかりやっておくことが、事業を勧める上での基本的姿勢である、という時代になってきた、ということだろう。
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