学者アラムハラドの見た着物 インドラの網 宮沢 賢治 <2>
「インドラの網」 <2>「学者アラムハラドの見た着物」
宮沢 賢治 (著) 1996/04 角川書店 文庫 281p
★★★★★
1)宮沢清六は「兄のトランク」の中で、「『臨終のことば』から」に、賢治のやり残した仕事として、いくつかの作品の未完部分に触れている。
2)そこに3つの作品が上げらていたが、最初、それは架空のタイトルかなと思ったが、実は、それは作品として全集にも掲載されているものだった。
3)「書き換へられたる修身書 或は生理学的倫理学」は、ネット上では本文を探すことはできなかった。今後、全集で確認してみる。
4)「科学に威嚇されたる信仰」は、メモとして残されているものだが、ネット上では「誠心庵 庵主」という人が、考察を加えている。
5)「学者アラムハラドの見た着物」は、ネット上で見ると、実際に存在した作品で、なんと「青空文庫」では全文が読める。そればかりか、賢治作品は青空文庫では、なにも図書館から借りださなくても読めるものがたくさんある。
6)などと納得していたら、なんと「学者アラムハラドの見た着物」に関しては、これまで目を通していた文庫本「インドラの網」の中に収容されていたのだった。小さい作品なので、何気なく通り過ぎていたが、あまりに丁寧に描かれている作品でいかにも賢治らしい。ただ、あまりに丁寧すぎて、この密度で、どこまで描かれるのか、と心配にさえなる。あるいは、続編があるなら、ぜひ読んでみたい作品であることはまちがいない。
7)ひとつひとつ、賢治が残した宿題を探してみることも楽しい賢治散歩だ。
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