地球人スピリット・ジャーナル・ダイジェスト版<8>マルチチュードカテゴリについて
「地球人スピリット・ジャーナル」
ダイジェスト版
<8>「マルチチュード」カテゴリについて
1)マルチチュードは、アントニオ・ネグリとマイケル・ハートの一連の作品から触発されて出来たカテゴリである。
2)ひととおり目を通してしまえば、当ブログにおいてはなかなか難解で、旧マルキシズムにおけるプロレタリアートをマルチチュードと置き換えただけにすぎないのではないか、とさえ思える部分も多い。旧ソビエト亡きあとの亡霊か、という評論もある。
3)マルチチュードはマルチである。多様性とか多面性と読むことができるが、原義は群衆である。無数のネットワークから湧きあがるシンギュラリティ、というのが当時の当ブログにおける幻視であった。現在のツイッターやフェイスブックで連絡を取り合って同時多発的にデモが起きている現象などは、ある意味マルチチュード的であるといえる。
4)Oshoにとっては群衆はよい言葉ではない。ひとりひとりの覚めた個人においてしか革命は起きない、と彼は言う。私は一時、マルチチュードとサニヤシン・ネットワークと同義として読み換えてみようと試みたが、成功していない。
5)このカテゴリは2006/10~2007/05の間に書かれた。
6)再読したいこのカテゴリこの三冊は次のとおり。
「スピノザの生涯と精神」 ルカス /コレルス 1996/02 学樹書院
「スピノザ」 「無神論者」は宗教を肯定できるか 上野修 2006/07 日本放送出版協会
「スピノザ エチカ抄」 バルーフ・ド・スピノザ /佐藤一郎 2007/03 みすず書房
7)ネグリはことあるごとにスピノザに帰っていく。スピノザは単独で読みこまなければならないが、なかなか難解である。かなりの集中が要求される。意味的には共通する部分があるのだが、Oshoのセンスとは合わない。どこか生真面目で、哲学すぎる。
8)したがって、当ブログとしては、スピノザやマルチチュード概念は、最後の最後まで残るものではないだろう。
9)このカテゴリの中では、左翼や政治、経済の見直しを行った。麻原集団事件についてもかなり苦痛ではあったが多数読書した。関連で中沢新一や島田裕己も一通り目を通した。金融やジャーナリズムについても読んだ。いろいろ可能性のあるカテゴリではあったが、当ブログとしてはこのジャンルはフェードアウトすべきものと判断している。
10)マルチチュードもなかなか興味深い。当ブログにとっては、マルチチュードとシンギュラリティは、裏表の一体として考えていた節がある。世界同時革命だ。
11)ただ、ネグリ&ハートの本は、面倒くさい本が多い。ドグマだけが多く語られ、アジテーションをする存在が少ない。もし扇動力が高まり、要所要所のキーポイントを押さえるネットワーカーたちがキチンと自立するようになれば、意外や意外、という結果を生むのではないか。一ひねりが必要である。
12)読書として展開するとすると、かなり広い領域へとリンクしていく。それをどうとらえ、どうひとまとまりと捉えるのかとなると、当ブログの手にあまることが多い。要点を捉えて、早期に退却したほうがいいのではないか。
13)マルチチュードの概念は借りるとしても、別な名称が必要かもしれない。それでも、マルチチュードの「マルチ」が魅力的である。この「マルチ」は、シンギュラリティの「シングル」と対応している。「多」と「一」が、見事に対応している。しかし、西洋哲学ではここまでが限界だ。
14)ここから「無」や「空」への量子的ジャンプが必要となるのだ。
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コメント
一ノ瀬厚さん
確かに彼は、こう言ってますね。
http://plaza.rakuten.co.jp/bhavesh/diary/200804170000/
投稿: Bhavesh | 2014/12/15 19:39
「4)Oshoにとっては群衆はよい言葉ではない。ひとりひとりの覚めた個人においてしか革命は起きない、と彼は言う。」
これが間違いだと思います。
投稿: 一ノ瀬厚 | 2014/12/15 18:43