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2011/11/25

フクシマ2011、沈黙の春 八木澤高明

フクシマ2011、沈黙の春
「フクシマ2011、沈黙の春」 
八木澤高明 (著) 2011/10/6 新日本出版社 単行本(ソフトカバー): 95p
Vol.3 No.0547★★★★☆

1)3.11後、何度か被災地に足を運んだ。北は八戸から、南は茨城、千葉あたりまで。特に岩手、宮城、福島の沿岸部に関しては、もう何事も言えない。

2)そもそもカメラマンマインドのない私は、カメラをもっていても、ほとんどシャッターを押すことはない。切り取られた対象が、どのような美をもつかなど、ほとんど量りしれないからだ。しかたなくシャッターを押すのは、せいぜい物的存在を記録する場合とか、自らのアリバイ証明くらいのものだ。

3)被災地、特に福島の、無人化しエリアに残された動物たちが主になっているこの写真集は、カメラマンマインドをしっかり持った人でなければ撮影できないだろう。私にはできないが、このような写真集に意味なしとはしない。

4)瓦礫や、壊れた町の風景の写真集は、今でもなかなか見ることはできない。でも、このように動物たちが主だと、なんとも彼らが言葉をもって話しかけてくるようで、しっかり見ておこうとする。

5)沈黙の春。レイチェル・カーソンの、「想像の世界」が、今や、日本のこの地において、現実のものとして降りかかってきている。

6)下は、5年程前に、今回の被災地の一つの中心となった、仙台平野の港、閖上港の朝市のすぐ脇の風景だ。遠くに防風林が見え、その向こうに太平洋がある。朝日が今登ろうとしている。ここに映っているプレジャーボートどころか、漁船はすべて流された。自分でトイレに行った帰りに偶然撮った写真だが、今では、大変な思い出になってしまった。

Sunrise

7)この写真は私のツイッターの背景にもしている写真でもある。

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