宮沢賢治素描 関 登久也
「宮沢賢治素描」
関 登久也 (著) 1948/02 真日本社 古書 p224
Vol.3 No.0538★★★★☆
「続 宮沢賢治素描」
関 登久也 (著) 1948/02 真日本社 古書 p215
Vol.3 No.0539★★★★☆
1)この本、たしか関寿夫「アメリカ現代詩ノート ゲイリー・スナイダー、仏教、宮沢賢治」か、田中泰賢「アメリカ現代詩の愛語 スナイダーと宮沢賢治--宇宙的でくのぼうの道を歩む詩人たち」か、いずれその前後に読んだ本の中で見つけたものだ。
2)生前の賢治の生身に触れていた人の本としては、弟・清六「兄のトランク」に匹敵するような、ある意味、もっと貴重な二冊でさえある。
3)県内のネットワークを探したところ、唯一、気仙沼図書館にあることが判明した。気仙沼では、図書館も被災しているだろうし、また、この時期、転送をリクエストするのも不謹慎かな、と自粛した。しかし、もしやと思い、ホームページで確認すると、復興したとあったので、なにはともあれリクエストしてみた。
4)想像通り、機能は復活しているものの、転送サービスなどには対応してもらえなかった。そこで最寄りの図書館で取り寄せてくれたのがこの本である。関東圏の県立図書館からやってきた。
5)この本、見かけは新書版くらいの小さな薄い本なのだが、字も細かく、224頁もある。小さく見えたのは、使われている紙質の問題もあるかも知れない。発行された1948年は戦後のどさくさの真最中である。物資とて充分ではなかったはずだ。薄く、裏が透けて見えるような、ちょっと見には和紙にさえ見えるようだが、素人の私には判断がつかない。
7)この手触りが素晴らしい。当時の面影がしのばれるばかりでなく、賢治を思う当事者たちの気持ちが伝わってくるような存在の本である。
8)ただ、あまりに賢治に肉薄しすぎていて、賢治と表裏一体となっており、当ブログの過程としては、「賢治的」なものを手繰っているので、距離感がつかめなくなる本である。別な機会にゆっくり目を通したい二冊である。
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