人や銀河や修羅や海胆は TheaterGroup“OCT/PASS” 石川裕人・作・構成・演出<2>
「人や銀河や修羅や海胆は」<2>
石川裕人・作・構成・演出 2011/10/29 TheaterGroup“OCT/PASS” センダードあすとナーガ仮設住宅集会所
★★★★★
1)劇団オクトパス、あすとナーガ公演。観劇中。被災者のみなさんの笑い声がもれる。集会所にWi-Fiが設定してある。山元町の時よりは、会場が狭いが、役者たち、奮闘中。
2)会場は天井の低いプレハブのスペース。通常の教室より、ちょっと大きいかな。エプロンをかけたおばあちゃん、めがねのおじいちゃん、お母さんにだっこされた女のこ。背の高い外人さんがビデオを撮っている。役者のダジャレに、会場のみなさん、大笑い。
3)どんぐり山の裁判中。みなさん、どこまで宮沢賢治の童話をご存じだろうか。うふふ、うはは、あちこちから、笑い声がもれる。おしっこに立つおばあちゃん、注意されても鳴りだすケータイ。一旦、退席しても、用事がおわれば、また堂々と一番前の席にもどってくる。仮設住宅集会場の宮沢賢治。
4)このお芝居、アコーディオンの曲がよく似合う。なべぶたのシンバル、空気入れの笛、コーラのゲップ、コーヒーひきの擬音。役者たちの大合唱に、会場のみなさん、大拍手。ゴーシュ君のコーヒーひきは、セロだったのか。
5)苦みばしって、黙って腕組みしていた大柄のおじさん、釣られてついに、あはは、と笑ってしまった。腰掛けだけの、この芝居。照明もなければ、バックミュージックのPAもない。外はまだまだ明るい。カーテンをひいたり、開けたりで、明るさを調整。ちいさな子供たちの笑顔。
6)♪赤い目玉のさそり。入り口でもらった救援物資の飴をなめる。風の又三郎。席がだんだん満席になる。会場の壁には、全国各地からの支援のメッセージ。千羽鶴。血圧計。現代アートの抽象画。魚拓。クマと狩人。
7)ついに、妹トシの登場。和服のトシがますます白い。雪のひとかけらをひろう賢治。銀河の果てを目指すトシ。後ろの新幹線が走り去る。アイスクリームを食べさせる賢治。生まれでくるたで、こんどはわりゃのことだけで苦しまなぁよう生まれでくる。行ってしまうトシ。
8) 自己紹介。そろそろエンディング。会場のみなさん、大きな拍手。あばちゃん、腰をのばして拍手。ひとりひとりの紹介に微笑のみんな。最後の賢治の台詞。今回は、銀河鉄道ならぬ背後の新幹線がとおりすぎる。私という現象はーーーーー。小さな女の子の声も聞こえる。代表のあいさつ。
9)会場からでてきた被災者たち。「最初はどんなものかわからなかったけど、なんだか最後は泣けてきたね。」 「よくまぁ、あれだけ一時間半のセリフを覚えるもんだね。」 「うん、おもしろかった。」 「またね。」 外に出てみると、まだまだ明るかった。
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