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2011/12/12

ポラーノの広場 宮沢賢治<3>

<2>よりつづく

Ginga
「銀河鉄道の夜,風の又三郎,ポラーノの広場 ほか3編」 <3>
宮沢 賢治 (著), 天沢 退二郎 (編さん) 1971/07 講談社文庫 文庫: 392p
★★★★★

1)「そうだ、ぼくらはみんなで一生けん命ポラーノの広場をさがしたんだ。けれども、やっとこのことでそれをさがすと、それは選挙で使う酒盛りだった。けれども、むかしほんとうのポラーノの広場はまだどこかにあるような気がしてぼくは仕方ない。」

「だからぼくらは、ぼくらの手でこれからそれを拵(こしら)えようではないか。」

「そうだ、あんな卑怯な、みっともない、わざとじぶんをごまかすような、そんなポラーノの広場ではなく、そこへ夜行って歌えば、またそこで風を吸えば、もう元気がついてあしたの仕事中からだいっぱい勢がよくて面白いような、そういうポラーノの広場をぼくらはみんなでこさえよう。」

「ぼくはきっとできるとおもう。なぜならぼくらがそれをいまかんがえているのだから。」p164

2)今年の漢字は「絆(きずな)」に決まったという。石川裕人戯曲「絆の都」を思い出した。

3)そして8月30日の午ごろ、わたくしは小さな汽船でとなりの県のシオーモの港に着き、そこから汽車でセンダードの市に行きました。31日わたくしはそこの理科大学の標本をも見せて貰うように途中から手紙をだしてあったのです。p143

4)センダードはイーハトーブの隣の町だ。当ブログのカテゴリ「センダード2012」は、どうやら2012年に届く前に終了することが決定的になったので、「センダード2011」と改称した。

5)まだ見ぬ未来に何かの夢を持ってこの場を過ぎ去ろうとするのか。あるいは、今こそ、ここから、さらなる別な世界へと飛び立つのか。

6)「つめくさの花の 咲く晩に
ボランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒を呑まずに 水を呑む
そんなやつらが でかけて来ると
ポランの広場も 朝になる
ポランの広場も 白ばっくれる。」 
p122

「つめくさの花の かおる夜は
ポランの広場の 夏まつり
ポランの広場の 夏のまつり
酒くせのわるい 山猫が
黄いろのシャツで 出かけてくると
ポランの広場に 雨がふる
ポランの広場に 雨が落ちる。」
 p123

7)センダードあすとナーガの仮設住宅の「人や銀河や修羅や海胆は」 TheaterGroup“OCT/PASS”公演の時、役者たちが、アコーディオンの伴奏で、この歌を歌いながら、仮設住宅の皆さんに振れ回っていた。♪ポランの広場の 夏まつり~ なんだか今でも耳に残っている。

8)芝居や演劇を通して何かをする、というのではなく、演劇空間は、そのまま、ひとつのほんとうのポラーノの広場なのではないか。

9)そこが、ポラーノの広場でなければ、そこにポラーノの広場を見れなかったら、それは演劇空間ではないのではないか。

10)センダードあすとナーガに、ひとつのポラーノの広場を見つけることができなかったら、いったい私はどこにポラーノの広場を見つけることができるだろう。

11)賢治や、演劇、というものの楽しみ方が、すこしわかってきたような気がする。

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