「スピノザとわたしたち」 アントニオ・ネグリ<1>
「スピノザとわたしたち」 <1>
アントニオ・ネグリ/信友建志 2011/11 水声社 単行本 217p
Vol.3 No.0561★★★★☆
1)仕事のついでに街中の大型書店をウォーキング。いやはや、世の中にはずいぶんいろんな本があるものだ。これだけあれば、これらの本を一生かかっても読み切るなんてことはできないだろう。もっとも、本当に読みたい本などというものは、それほど多くはない。
2)マンガはほとんど読まないし、レデイス向きの本や専門技術の本もそれほど読まないだろう。週刊誌は立ち読みまでして読まないし、学習参考書などは更に読まない。新書や文庫も、面白いのだが、本当に関心のあるのはごく一部だ。
3)そうなってくると、たくさんあるように思える書店の本だが、今日いま読みたいなぁ、と思える本はそれほど多くない。ほんの数冊だ。
4)この書店は、震災で壊滅し、集合ビルの高層階から、近くのビルの地下に移動してきた。ここのいいところは、立ち読みならぬ、座り読みができるように、椅子が用意してあること。だから、ちょっと興味ありそうな本は、書店にいるうちに大体読めてしまう。
5)当ブログが図書館の本にこだわってきたのは、自宅の本をもう増やしたくないからだ。もう書店で座り読みで終わればそれでいい。
6)そういう範疇でいうと、アントニオ・ネグリの「スピノザとわたしたち」は、書店内で座り読みするか、自宅までお持ち帰りするか悩む本。最寄りの図書館にはまだ入っていない。ひょっとすると、当面入らないかもしれない。
7)ただ、よくよく考えてみると、この本は、当ブログで読み進めるかどうかは、極めて厳しい分岐点の上にある。
8)当ブログの統合のプロセスにおいて、「ダイジェスト」の編成や「統合目次」の再編集をしていると、いままで「マルチチュード」や「スピノザ」というカテゴリを作ったり、「マルチチュード2008」という曼荼羅まで作ってきておきながら、なかなか読み込みが進まなかった、ということを痛感する。
9)読解力がない自らの読書力をなげくしかないが、それであったとしても、この魅力ある道をなかなか進めなかったのは、それなりの理由があった。
10)政治、哲学、難解、頭志向、という方向は、どうも当ブログ向きではない。
11)非政治的、反哲学的、平易、ハート志向、というのが当ブログの方向性であるようだ。
12)そう思いつつも、この本は魅力ある。ネグリがいうところの「マルチチュード」を、他の何か、例えば「ネオ・サニヤス」とか、あるいは当ブログがいうところの「地球人」という単語に置き換えてみると、これがなかなか魅力的なのである。なんともうまくハマるところがたくさんある。
13)いずれゆっくり読み込むこともあるだろうが、それは、方向性が違うのだ、ということの確認になるだろう。だから、今日のところの座り読みは、この本は一つの「回答」でもあった。当ブログは、ネグリのいうところのマルチチュードの方にはいかないという、反語的な結論であった。
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